実は、今回、議場秩序をびん乱すると決めつけられた小泉の「退席する」との発言は、突然降ってわいた話ではない。市議会会議規則の規定により、賛成討論の事前通告書を議長あてに提出しており、その中に「退席し棄権する」とはっきり書いてある。だから議長は、事前に小泉あてに、この通告内容は修正しろと勧告することが、できたはずだ。それでも小泉が議長の事前の勧告を拒み、「退席する」と発言したなら、議長は即座に発言の続行を制止することができたはずだ。議場の秩序が乱されるのは重大事であり、議長は秩序維持のために存在する。しかし、議長は小泉に自由に発言させた。
議長は当初、小泉の発言通告内容を、全く問題視していなかったのだ。そりゃーそうでしょうよ。「退席する」で、議場秩序が乱れるわけがない。
議事進行を止めた野々村ひろみ議員(共産党)も、議場秩序なんて言葉は、初めは持ち出していなかった。
「ただ今の小泉議員の―きちんと精査していただきたいと思います。退場をされるとの発言をされました。賛成をされると発言もされました。これではちょっと私たちも理解できませんので、ぜひ議運を開いて検討していただきたいと思います。」
「退席する」の一言に過剰に反応し、なんでそこまで言ってしまったのか。
実はこの日、予算案討論のとき、共産・市民ネット連合は、やけにヒートアップしていた。新友会寺沢さゆり氏が、「病児者保育の充実」を訴えたときなんか、「新友会が反対して請願つぶしておいて」、「一票差だったんですよ」、「よくいえる」とテンションアップ。そこへ小泉登場。第一庁舎・市民会館建替えについて、市民説明会を、合併建設計画区域で開催せよと主張すると、どういうわけだか非難集中。それなら自分たちの、建替え費用を減額する修正案になぜ乗らない、退席なんてとんでもないという感情論と、小泉は受け留めた。彼らは討論で、改革ながのに賛成しろと、名指しで再三秋波を送ってきてたからねえ。それにしても、彼らの討論は、静かに聞いてあげてたんだけど。ちょっと身勝手じゃないかい。
さて、議会運営委員会なんて小泉も初めて傍聴してみたけど、正直言って、あまり高い水準の議論はしていない。
いつもは対抗しあっている、共産・市民ネットと新友会も、このときはお友達。中野きよし氏(新友会)は「冒涜してますね」とニコニコ。加藤よしろう氏(新友会)は、野々村氏に追従している。そりゃあ、棚ボタで、共産・市民ネットが、ついさっき討論で連携を呼びかけた改革ながのを、分断できるんだから、恵比須顔にもなる。なんでそれが分からんかなあ。
議員も、議運を開けと言ったはいいが、どう収束するかの展望なんて持っていない。野々村氏は、即刻に「退席」発言前後の議事録を書き起こせと要求。そこに、小泉の議会軽視の姿勢が表れることを期待したらしい。
他の唯一の議論の材料は、事務局が用意した参考書の一節。
「会議規則上、討論後の退場(棄権)を禁止した規定はありませんが、討論の機能からみて討論後に退場することは予想されません。むしろ、討論後に退場する議員は、討論する資格がないものと言えます。仮に退場すれば討論者の政治的責任を追及されるでしょう」
布目ゆきお氏(市民ネット)は、「討論後に退場することは予想されませんとあるけど、実際に起きてしまった場合はどうすればいいんですか」なんて、事務局にきいている。事務局が答えられるわけないでしょ、それを決めたいからあなた方が議運を開けと要求したんじゃない。討論する資格がないということは、討論するべきじゃなかったということだよねえ...なんてボソボソ言ってたのは誰だっけ。おいおい、小泉の発言、丸ごと全て取り消しかい、そいつは豪気だね。「議会軽視」という声もあったな。この「政治的責任」とは、どういうことかと、事務局に訊いたのは布目氏。「政治的責任」の意味が分からなくて、よく政治家が務まるなあ。「有権者が判断するということだよ」と、声に出して教えたけど、無視。事務局に同じことを言わせて、ようやく納得。
これじゃあ、どうにもできないと思ったのか、議事録ができるまで、議運は休憩。
で、改革ながのの控室で、まあ何かできるとすれば、地方自治法第129条の、議員の発言取り消し要求動議だねということに。事務局は、これを使わせたくないみたいだったけど。
「第百二十九条 普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。 」
そ。議運を開けと騒いだ議員たちが、どう始末をつけるのか途方に暮れている中、彼らに対抗するはずの改革ながのが、収拾案を練ってあげたというわけ。議長が「議場秩序を乱す発言を取り消す意思はありますか」と問い、「ありません」と答えるシナリオも調整された。
しかし小泉は、議場秩序を乱すと言われて、言われっ放しになるつもりもなかった。「退席すると規則に従って事前に議長に通告しているのに、その通告通りの発言が議場秩序を乱すと言うなら、どうして未然に防ごうとしなかったのか、全く理解に苦しむから、取り消す意思はない」ぐらいのことは言ってやるつもりだった。
が、改革ながの代表の倉野立人氏が、「それは、議運で訴える。命がけでやるんだから、それでまとめてくれ」とまで言うので、顔を立てることにした。
こんなにも議事進行に協力的な改革ながのと、小泉なのに、議会秩序びん乱? いい加減にしてほしいなあ。でかい声を出した人が勝つ議会なんて、世も末だよ。
議長は当初、小泉の発言通告内容を、全く問題視していなかったのだ。そりゃーそうでしょうよ。「退席する」で、議場秩序が乱れるわけがない。
議事進行を止めた野々村ひろみ議員(共産党)も、議場秩序なんて言葉は、初めは持ち出していなかった。
「ただ今の小泉議員の―きちんと精査していただきたいと思います。退場をされるとの発言をされました。賛成をされると発言もされました。これではちょっと私たちも理解できませんので、ぜひ議運を開いて検討していただきたいと思います。」
「退席する」の一言に過剰に反応し、なんでそこまで言ってしまったのか。
実はこの日、予算案討論のとき、共産・市民ネット連合は、やけにヒートアップしていた。新友会寺沢さゆり氏が、「病児者保育の充実」を訴えたときなんか、「新友会が反対して請願つぶしておいて」、「一票差だったんですよ」、「よくいえる」とテンションアップ。そこへ小泉登場。第一庁舎・市民会館建替えについて、市民説明会を、合併建設計画区域で開催せよと主張すると、どういうわけだか非難集中。それなら自分たちの、建替え費用を減額する修正案になぜ乗らない、退席なんてとんでもないという感情論と、小泉は受け留めた。彼らは討論で、改革ながのに賛成しろと、名指しで再三秋波を送ってきてたからねえ。それにしても、彼らの討論は、静かに聞いてあげてたんだけど。ちょっと身勝手じゃないかい。
さて、議会運営委員会なんて小泉も初めて傍聴してみたけど、正直言って、あまり高い水準の議論はしていない。
いつもは対抗しあっている、共産・市民ネットと新友会も、このときはお友達。中野きよし氏(新友会)は「冒涜してますね」とニコニコ。加藤よしろう氏(新友会)は、野々村氏に追従している。そりゃあ、棚ボタで、共産・市民ネットが、ついさっき討論で連携を呼びかけた改革ながのを、分断できるんだから、恵比須顔にもなる。なんでそれが分からんかなあ。
議員も、議運を開けと言ったはいいが、どう収束するかの展望なんて持っていない。野々村氏は、即刻に「退席」発言前後の議事録を書き起こせと要求。そこに、小泉の議会軽視の姿勢が表れることを期待したらしい。
他の唯一の議論の材料は、事務局が用意した参考書の一節。
「会議規則上、討論後の退場(棄権)を禁止した規定はありませんが、討論の機能からみて討論後に退場することは予想されません。むしろ、討論後に退場する議員は、討論する資格がないものと言えます。仮に退場すれば討論者の政治的責任を追及されるでしょう」
布目ゆきお氏(市民ネット)は、「討論後に退場することは予想されませんとあるけど、実際に起きてしまった場合はどうすればいいんですか」なんて、事務局にきいている。事務局が答えられるわけないでしょ、それを決めたいからあなた方が議運を開けと要求したんじゃない。討論する資格がないということは、討論するべきじゃなかったということだよねえ...なんてボソボソ言ってたのは誰だっけ。おいおい、小泉の発言、丸ごと全て取り消しかい、そいつは豪気だね。「議会軽視」という声もあったな。この「政治的責任」とは、どういうことかと、事務局に訊いたのは布目氏。「政治的責任」の意味が分からなくて、よく政治家が務まるなあ。「有権者が判断するということだよ」と、声に出して教えたけど、無視。事務局に同じことを言わせて、ようやく納得。
これじゃあ、どうにもできないと思ったのか、議事録ができるまで、議運は休憩。
で、改革ながのの控室で、まあ何かできるとすれば、地方自治法第129条の、議員の発言取り消し要求動議だねということに。事務局は、これを使わせたくないみたいだったけど。
「第百二十九条 普通地方公共団体の議会の会議中この法律又は会議規則に違反しその他議場の秩序を乱す議員があるときは、議長は、これを制止し、又は発言を取り消させ、その命令に従わないときは、その日の会議が終るまで発言を禁止し、又は議場の外に退去させることができる。 」
そ。議運を開けと騒いだ議員たちが、どう始末をつけるのか途方に暮れている中、彼らに対抗するはずの改革ながのが、収拾案を練ってあげたというわけ。議長が「議場秩序を乱す発言を取り消す意思はありますか」と問い、「ありません」と答えるシナリオも調整された。
しかし小泉は、議場秩序を乱すと言われて、言われっ放しになるつもりもなかった。「退席すると規則に従って事前に議長に通告しているのに、その通告通りの発言が議場秩序を乱すと言うなら、どうして未然に防ごうとしなかったのか、全く理解に苦しむから、取り消す意思はない」ぐらいのことは言ってやるつもりだった。
が、改革ながの代表の倉野立人氏が、「それは、議運で訴える。命がけでやるんだから、それでまとめてくれ」とまで言うので、顔を立てることにした。
こんなにも議事進行に協力的な改革ながのと、小泉なのに、議会秩序びん乱? いい加減にしてほしいなあ。でかい声を出した人が勝つ議会なんて、世も末だよ。
- 関連記事
-
- 長野市次世代エネルギーパーク構想、延期 (2012/03/28)
- 議場秩序びん乱罪の栄誉その4―なぜ棄権なのか。その時の映像をUP (2012/03/23)
- 議会秩序びん乱罪の栄誉その3―議長が事前に知っていたこととは (2012/03/22)
- 議場秩序びん乱罪の栄誉その2-新聞の見出しになった「小泉」 (2012/03/21)
- 議場秩序びん乱罪の栄誉―小泉に議会が総スカン (2012/03/20)