長野市が新しい中山間地活性化策「やまざとビジネス支援補助金」をスタートさせた。目的としては「中山間地域の資源を活用し、実施するビジネス(事業)に要する経費の一部を補助することで、地域における雇用の創出や地域内への経済波及効果、地域の課題解決など地域の活性化に資すること」を挙げている。
    http://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/shiminkatudo/68632.html

    実は、これは小泉の提案が元となっている。平成23年12月議会の経済文教委員会において、SOHO事業者等の中山間地域への立地の可能性についての質問が契機となって検討を始め、その結果として本事業が創始されたという。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-878.html

    この新制度について言うべきことは後段述べるが、まずは中山間地活性化策のメニューが増えたことを、よしとしたい。提案者として小泉は、事業を成功させなければならない責任を感じる。申請締め切りが5月と早く、周知する時間が短いため、新補助金を含めたメニューについて、今月13日から独自に市民有志とともに情報発信を始めたところだ。
    https://www.facebook.com/naganoinaka
    https://twitter.com/naganoinaka

    ところで、もともとの小泉の提案は、中山間地の空き家利活用により、経済活性化と同時に都市人口の流入による定住人口増加を目指すものだった。新補助金では、定住促進の視点が薄まっているのが気になる。
    24.5.1 副市長プロジェクト会議資料


    この↑資料は、24年5月1日開催の副市長プロジェクト(中山間地活性化推進)会議において配布されたもの。SOHO等の事業者誘致について、「本市では立地について問合せなどが過去に無かったことから立地の可能性は小さい」とのリクツが述べられている。今までに要望されてなかったことは、即ち需要がないこととするマーケティング手法は、長野市において多用されるが、ロジックの体をなしていないんじゃないかなあ。「面倒だから、やらないだけじゃん」と市民は見なしはしないだろうか。
    他にも小泉が懸念する点がある。長野市にも直接伝えているが、この際指摘しておきたい。


    「本事業は、実施場所についての制限はありません。長野市の中山間地域外であっても市外であっても差し支えありません。ただし、事業実施に当たっては、事業の活動拠点が中山間地域内にあることとしています。
    【活動拠点とは…事業の実施場所、生産拠点、サービス提供地域等をいいます】」
    (
    「『長野市やまざとビジネス支援補助金』のQ&A」)


    この、事業の実施場所が中山間地に存在する必要がなくて、「サービス提供地域等」を含めた「活動拠点」があれば足りるとする制度思想には、やや疑問を感じる。
    たとえば、リーフレット上の事業の例示の中にある「移動購買車」(「長野市やまざとビジネス支援金事業募集」)。このような事業が、補助金交付要綱の「中山間地域の人材、生産物、自然環境等の地域資源を活用した事業であること」との要件に、該当するのはなぜかと、長野市地域振興部に訊ねてみた。「移動販売車のドライバー等に中山間地の住民が雇用されていれば、また中山間地の産品を扱えば、それぞれ『中山間地域の人材』、『生産物』を活用していると言える」との見解であった。
    そうだとすれば、都市部にある大手資本が、事務所を都市部に置いたまま、移動販売車購入等資金に補助金を当て、たまたま雇用していた中山間地在住職員をドライバーに転用しても、中山間地を主に回っていれば、要件には反しないことになる。またドライバーでなく、販売車の品揃えの一部に申し訳程度の中山間地産品を置くとしても、要件に反しているとは言えない。それで要綱が規定する5年間我慢すれば、販売車が手元に残る。後は中山間地から撤退して都市部だけ効率よく運行すればいい。
    こう言うと、それは審査で選別するから大丈夫だと地域振興部は言う。ストライクゾーンを広げるのはよいけれども、それで都市部大資本の安直な企画を排除できるのか。何しろ事業費は最大1千万円で補助率は80%という、この種の補助金としては破格すぎるほどの好条件なのだ。大資本はプレゼンテーション能力に優れているから、却って一発勝負のプレゼン審査が心配だ。
    小泉は、中山間地域に固定店舗/事務所を有し、そこには中山間地に居住する従業員が少なくとも1名、配置されていなければならないと考える。中山間地に進出し、そこで営業するという重いリスクを取る企業であり、それでも成立する企画でなければ、行政が中山間地活性化策として公金を支出してまでビジネスを支援する意味に乏しい。都市部の大資本が、軽いリスクで業態を拡張する方便に使われるようなことは、間違ってもあってはならない。
    まあ、杞憂だといいんだけどね。

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    3月議会最終日の25日、東京都のオリンピック招致活動を支援する決議案が提出され、小泉は賛成討論した。概要次のとおり。


    言うまでもなく、長野市は1998年冬季オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会のホストシティでありました。
    「オリンピズムとその諸価値に従いスポーツを実践することを通じて若者を教育し、平和でよりよい世界の建設に貢献する」とオリンピック憲章に規定されるオリンピックムーブメントは、ホストシティたる長野市が守り、広める責務があります。
    長野市の大会運営やボランティア活動における質の高いホスピタリティ等は、当時サマランチIOC会長から、冬季オリンピックとして最高の大会であると評価されたものであり、この経験を伝え生かす機会が身近にあるならば、長野市はそれに関わるのをためらうべきではありません。
    かの大会期間とその前後、日本の中心は、長野市でした。いや世界の中心として世界の耳目を集め、友好、親善、平和のセンターとしてアピールを発信し続けました。
    長野オリンピックから始まった一校一国運動は国際交流の道として高く評価され、その後のオリンピック大会に脈々と受け継がれております。また「長野オリンピックピースアピール」の運動により、対人地雷の廃絶と被害者救済を強く世界に訴え印象付けました。さらにオリンピック停戦により、大会期間中は軍事行動が回避されたと言われます。
    日本をとりまく諸状況を見ますと、領土を巡る諍いや、国際協調に背く兵器開発の疑い等による事象が、わが国のみならず周辺諸国にまで、不安と不信を及ぼしております。今、日本とその周辺地域に必要であるのは、まさにオリンピックの平和と友好の精神ではないでしょうか。
    このような時期において、東京都がオリンピック招致活動を行うのは真に時宜に適うものであり、長野市がこれを支援し、また全面的に協力するとの決議案には、全面的に賛成するものであります。


    共産党長野市議団による反対討論ばあったものの、決議案は次の通り可決された。


    第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京招致を支援する決議

     オリンピック競技大会及びパラリンピック競技大会は、世界中から選手が集うスポーツ競技大会であり、参加する人々の交流を通して世界の友好と親善に大きく貢献してきた。また、そこで繰り広げられるスポーツに打ち込む選手のひたむきな姿や高い技術は、世界の人々に、夢と希望と勇気を与えてきた。
     本市では、1998年に第18回オリンピック冬季競技大会、第7回パラリンピック冬季競技大会を開催し、スポーツが人類共通のすばらしい文化であることを実感することができた。オリンピックの財産を後世に伝え、子供たちに夢と希望を与えるため、オリンピックムーブメントの推進を図っていくことがオリンピック開催都市としての責務である。
     我が国は、現在、東日本大震災からの復旧、復興に取り組んでいる。 2020年にオリンピック・パラリンピック両競技大会を開催することは、復興に向けて歩む人々にとって大きな力となるとともに、復興に向け全力で取り組んできた日本の姿を世界に示し、世界中から寄せられた支援に対し感謝の気持ちを表す機会ともなる。 
     よって、長野市議会は、2020年に開催ざれる第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会の東京開催を心から望み、招致活動を支援し、また全面的に協力するものである。 
      以上、決議する。   
     平成25年3月25日
                        長 野 市 議 会


    ただし、共産党の討論にも類似の指摘があったのだが、「大会を開催することは、復興に向けて歩む人々にとって大きな力と」なり、「復興に向け全力で取り組んできた日本の姿を世界に示し、世界中から寄せられた支援に対し感謝の気持ちを表す機会ともなる」というレトリックは、牽強付会じゃないかなあという気はする。東京都も被災したとはいえ、復興に向けて歩む人々の大部分は、ホストシティたる東京都の住民ではない。東京都のオリンピック開催が、彼らの大きな力となるというのは、本当だろうか。また、復興に向けて取り組んできた日本の姿を世界に示すというが、本来オリンピックは都市が開催するものであって、東京都の開催が即ち東北地方を含む日本の姿勢を示すことになるというのは、オリンピックの精神からしてどんなものだろうか。被災地の人々は世界に向けて謝意を述べたいかもしれないけれど、東京都にその役割を任せたのだろうか。招致活動に震災を政治利用することは適当だろうか。
    とはいうものの、小泉は東京招致自体には賛成だから、この論点には触れずに討論した。
    もっとも、このようなレトリックは長野市議会ではなく、東京オリンピック招致委員会の発案によるものだ。長野市議会は、東京都が利用しやすいように決議案を整えたに過ぎないと小泉は解釈している。
    http://tokyo2020.jp/jp/message/



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    小泉のデビュー戦である平成23年12月議会では、市役所内に秘密合意があることを明らかにした。

    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-376.html
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-378.html
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-380.html

    合併協定に基づき、アンケートによって新たな市の木・花を制定する義務があるにもかかわらず、「長野市のシンボル等見直し検討委員会」なる機関を秘密裏にお役人が作って談合し、市民にも議会にも知らせないまま葬り去ったという、聞くだにおぞましい話。
    だがしかし、これは唯一の例外的な長野市の汚点ではないようだ。「行政課題として認識しているけれども、手を着けないことにする」と決めるのに、合議体を作って秘密裏に決めるのは、なるほど合理的だ。責任の所在を分散できる。
    中山間地の定住促進を進めなければという思いが、小泉にはある。空き家の利活用について質問をまとめようと思って調査していたら、またこの例にあたってしまった。

    3月議会質問・答弁から書き起こしてみる。

    小泉一真 結果として有効な施策を施行できていない現状であると認識するが、このような現状を打開するためにか、平成21年度、市役所内に「みらい政策会議」なるプロジェクトチームが設置された模様。その研究成果は、市民、議会にどのような形で報告されたか。研究課題、空き家、田舎暮らし用住宅の確保に関する結論はどのようなものか。

    企画政策部長 みらい政策研究会議は、先駆的な施策を調査、研究し、その後の政策形成につなげることを目的として設置した庁内研究組織。同会議では政策、検討前の目出し(?)の調査や研究を目的としていることから、その結果については対外的に報告を行うことはしてきていない。

    商工観光部長 中山間地域における空き家・田舎暮らし用住宅の確保に関する研究については、中山間地域における住宅の確保と情報提供の方法について、五点を掲げ、検討をした。
    (略)
    ③ 住宅の確保の方法としては市内の空き家等の賃貸や売買を希望する所有者から物件の提供を受け、市の空き家バンクに登録する。
    (略)
    というもの。
    特に、住宅の確保の点において、家主が賃貸あるいは売買を希望しているかどうかを確認することが難しく、また、空き家物件が確保できないという課題が明らかになったほか、中山間地域で安心して生活していくための基盤整備はどうするのかといったような根本的な課題も浮き彫りとなった。研究の結論としましては、提供できる空き家物件が十分に確保され、これを求める需要も高まるなど、現実的な取組が可能となった時点で政策形成につなげることとした。
     
    小泉一真 当時の、議論のペーパーに、「市として手を焼いている場所に、立派なうたい文句で移住を進めることは行政の姿勢としてどうか」とある。
    こういう姿勢で検討していれば、結論は見えている。(略)中山間地定住促進に
    議会市民は関心を表明してきたにもかかわらず、こういった重要な結論について市民、議会には一切説明がない。市役所内の秘密合意で合併協定を破った市の木、市の花と同じ手口であり、棄民政策が長野市においては行われている。


    「みらい政策会議」(なんと明るい未来を描いてくれたことか)を知る経緯となった資料は、次のとおり。
    みらい政策会議打ち合わせ

    「集落機能が低下している集落に、仮に移住したとしても、経年とともに要支援世帯になりかねない」というのも、なかなかインパクトのある意見だ。定住促進とは正反対の思想であり、憲法が居住移転の自由を保障しようとしていることに思い当たらないのだろうか。
    答弁の中で、企画政策部長は、「会議では政策、検討前の目出し(?)の調査や研究を目的としていることから、その結果については対外的に報告を行うことはしてきていない」と言っている。しかし、かつて長野市は、自ら進んでその存在を示唆しているのだから、これは後付けの小理屈。
    「...空き家の再調査により、提供可能な情報を長野市ホームページに掲載し、広く希望者に提供することなどを検討したい。また、『空き家バンク』の制度についても研究を行っている」
    と、平成21年8月の「戸隠地区元気なまちづくり市民会議」において、当時の産業振興部長が、住民に対して説明しているのだ。時期と内容から見て、「みらい政策会議」と断定していいだろう。
    http://www.city.nagano.nagano.jp/site/midorinoteble/19082.html

    中山間地では、都市部以上に人口が減少し、空き家が目立っている。小泉が20年前に県庁の飯を食っていたころに担当していた、旧鬼無里村の集落を回ってみるとき、それが実感される。市が、平成十六年から十八年度にかけて遊休農地活性化委員会に委託し、空き家の実態調査をしたときには、中山間地域十三地区において、すでに三百三十戸の空き家があった。
    これを埋めなければ、やがて集落の機能は失われていき、その地域の文化も失われていく。
    小泉が徳島県神山町のNPOグリーンバレーを視察したのも、空き家を埋めなければという思いからだ。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-598.html
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-617.html

    長野県内にも、すでに定住促進施策としての空き家対策を実施している自治体はある。特に、佐久市は「空き家バンク契約数全国一」を誇らしげにうたっている。JR東日本と連携した取組みも、全国初とのことだ。

    佐久市「おいでなんし!佐久」
    http://www.city.saku.nagano.jp/outsaide/akiya/index.html
    http://www.city.saku.nagano.jp/cms/html/entry/11290/7.html

    佐久市の担当者に訊くと、中山間地の物件は人気がないかといえばそんなことはなく、山の物件から決まっていくとのこと。市内の某不動産業者に尋ねたときも、山の物件は、出れば決まるという。ただし、出物は多くはない。契約にかける手間ひまは同じでも、山の物件は価格が安いから、利益も小さい。だから街中の不動産業者は、積極的には扱わない。その上、地元の不動産屋さんがない中山間地域は、珍しくない。
    空き家があるのに、市場に流通しないとは、どういうことだろうか。盆暮れには帰省する、故人の遺品が片付かない、お仏壇を置いてある、持ち主が不明等々、事情は様々のようだ。だが人が住まなければ、空き家は傷んでいき、廃屋となっていく。人が住んでくれれば、中山間地活性化の有効な資源となる。事情が許す限り、このような個々の空き家を流通させる仕組みが必要だ。
    それに大体、いくら何でも、持ち主が利活用を希望する空き家が皆無ということはない。神山町の取り組みも、数軒の空き家から始まった。
    潜在的な需要はあり、物件もある。これ以上必要なのは、行政の小理屈ではない。行動だ。

    なお、総務委員会で、「長野市のシンボル等見直し検討委員会」と「みらい政策会議」の例を挙げ、「プロジェクトチームに名を仮りて、市民・議会の関心事である行政課題放置を合理化する装置となっている事例があるから、一定の基準を作ってその研究成果を公表すべきである」と主張したが、行政側答弁では、その気がないとのことである。それには驚かないが、小泉の主張に同調する委員が皆無であるばかりか、反対意見を述べる委員がいたことには驚いた。

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