「我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、」「特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、その漏えいの防止を図」るとする特定秘密保護法案が、近日中にも衆議院で採決される見通しとなってきている。政府が指定した秘密への国民のアクセスを制限するのが目的であるわけで、情報公開が民主主義を保証すると考える小泉としては、関心を持って事態の推移を観察している。
    その特定秘密保護法が成立したら、どういう事象が想定されるか。それを長野市の事例から敷衍して考えてみるというのが、今回の挑戦(笑)。



    これ↑は、長野市教育委員会あてに、「新市民会館芸術監督への報酬等処遇に関する検討・研究に関する情報の公開」を請求したところ、墨塗り公開された文書。長野市教育委員会が、新市民会館の芸術監督の処遇検討のため、芸術監督を擁する自治体の状況を2011年3月当時に調査したもの。
    ご覧のとおり、「専門家(芸術監督等)の雇用形態」「専門家(芸術監督等)へ支払う経費」に含まれる項目が、全て墨塗りとなっている。このうち、「経費」とは即ち芸術監督に支払われる給料のことで、もしかすると公開されないかなと小泉も予想していた。個人のプライバシーに属する情報だからだ。
    しかし、「専門家 芸術監督名」、「肩書き」等は、本当に非公開としなければならない情報だろうか。インターネットで検索すると、これらに関する情報は、簡単に見つかる。試してみていただきたい。
    考えてみれば当たり前のハナシである。長野市の新市民会館の芸術監督には、久石譲氏が就任したが、これは別に非公開としなければならない情報ではない。というより、市民会館の顔として広く周知しなければならない情報なのだ。他の自治体の例でも事情は同じはず。



    こちら↑は、議会事務局を通じて、墨塗りされた自治体宛てに直接照会した結果。見事に、報酬まで含めて公開されてしまった。長野市議会からの照会なのだから、公表されるのかもと予想しながら、それでもそれぞれの情報公開条例に照らし、各自治体は回答してくれた。天っ晴れである。
    なぜこのようなことが起こってしまうのか。長野市が公開を拒んだ理由は長野市情報公開条例第7条第2号、同第5号及び第6号(※)に該当するからというもの。2号は個人情報だが、5号と6号は、要するに公開すると他の自治体等の不都合になる情報と理解していいと思う。

    ここで、長野市を日本国と見立ててみよう。照会先の自治体は、外交関係のある外国だ。諸外国に照会して得た情報は、だから外交情報。特定秘密保護法の規制対象となる。
    その国にしてみれば情報としての価値は低く、インターネット上で流通しているようなものであっても、我が国の役人がそんな判断ができずに、あるいはそんな判断をすることを放棄して、その国に迷惑をかけたくない一心で、秘密指定しまうことは、有りえないことだろうか。特に特定秘密保護法の背景には、日本がお世話になっている某国の意向がある。
    http://www.jiji.com/jc/zc?k=201311/2013110700931
    国際的に「共有された秘密情報を保護するために必要」な措置が特定秘密保護法であり、もともと他国から得た情報を守るためという強いバイアスがかかっている。お世話になっているあの国の情報だから、何でも一律秘密指定。そんな機械的運用になってしまうのではないかと危ぶむ。何しろ、国内の自治体間のお付き合いでさえ、そんな事例があるのは、今見た通りだ。
    このような運用を避けるためには、第三者による厳格なチェックが必要だ。ところが、この点が貧弱なのが、特定秘密保護法案の議論である。独立した立場で監視できる機関設置の検討を法案附則に盛り込むとの修正案があるが、「検討」なのだからやる気が感じられない。それに監視と言っても様々なレベルがある。「手続き的に誤りがないか」、「基準に合致しているか」といった程度の機械的な運用では、インターネットに載っているものは秘密に値しないと、公益上からの判断ができない。
    「公益」という言葉を使ったが、ここがポイントだと考える。長野市情報公開条例には、こんな条文もある。

    (公益上の理由による裁量的公開)
    第9条 実施機関は、公開請求に係る行政情報に非公開情報(第7条第1号に該当する情報を除く。)が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、公開請求者に対し、当該行政情報を公開することができる。

    他の自治体の芸術監督の氏名の公開は、その自治体にとっては、公益上ぜひ必要なことだろう。「公益」の範囲は、極力広く解釈するべきだ。小泉としては、国に秘密があることは理解するが、このような「公益」からの情報公開の原則を守る姿勢が、特定秘密保護法案には欠けている。


    ※(参考)長野市情報公開条例抜粋
    http://www.city.nagano.nagano.jp/reiki/41390101003000000000/41390101003000000000/41390101003000000000.html
    (行政情報の公開義務)
    第7条 実施機関は、公開請求があったときは、公開請求に係る行政情報に次の各号に掲げる情報(以下「非公開情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、公開請求者に対し、当該行政情報を公開しなければならない。
    (2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公開することにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。
    ア 法令等の規定により又は慣行として公にされ、又は公にすることが予定されている情報
    イ 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公開することが必要であると認められる情報
    ウ 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場合において、当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは、当該情報のうち、当該公務員の職及び氏名(当該公務員の氏名に係る部分を公開することにより当該個人の権利利益を不当に害するおそれがある場合を除く。)並びに当該職務遂行の内容に係る部分
    エ 実施機関が実施する事務事業であって予算執行を伴うものに係る情報のうち、公益上公開することが必要であり、かつ、公開しても個人の権利利益が害されるおそれがないと認められる情報であって実施機関が公表した基準に該当するもの
    (5) 市並びに国及び他の地方公共団体の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公開することにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの
    (6) 市又は国若しくは他の地方公共団体(以下この号において「国等」という。)が行う事務又は事業に関する情報であって、公開することにより、次に掲げるおそれその他当該事務又は事業の性質上、当該事務又は事業の適正な遂行に著しい支障を及ぼすおそれがあるもの
    ア 監査、検査又は試験に係る事務に関し、正確な事実の把握を困難にするおそれ又は違法若しくは不当な行為を容易にし、若しくはその発見を困難にするおそれ
    イ 契約、交渉又は争訟に係る事務に関し、市又は国等の財産上の利益又は当事者としての地位を不当に害するおそれ
    ウ 調査研究に係る事務に関し、その公正かつ能率的な遂行を不当に阻害するおそれ
    エ 人事管理に係る事務に関し、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれ
    オ 市又は国等が経営する企業に係る事業に関し、その企業経営上の正当な利益を害するおそれ

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    議会対応で、新市長・加藤久雄氏の独自色が示された。
    市役所から議会へ、定期的に「協議・報告」する会議が設けられているのは、このブログで今までに触れてきたとおり。11月20日、加藤氏としては最初の「協議・報告」への対応で、前市長・鷲沢氏との違いを打ち出してきた。前職は、最大会派・新友会の「協議・報告」に同席していた。現職は、どの「協議・報告」会議にも同席せず、あいさつのみ行うと決めた。これは信濃毎日新聞等で報道されているとおり。



    特定会派との結びつきを隠さなかった鷲沢氏に比べれば、加藤氏は健全な感覚を持っていると言える。
    だがこれで良しとするべきだろうか。前職と現職とで、「協議・報告」に関する議会対応の違いを、表にまとめた。



    行政と最大会派の結びつきが是正されたとは言い難いのが、表から分かる。今も新友会は部長級が対応しているのに対し、それ以外は課長級の対応にとどまっている。新友会と無所属・諸会派合同の会議は、同じ時間帯に行われているのだから、統合して開催すればよさそうなものだ。さらに言えば、共産党も加え、議長の招集による議会全員協議会を目指すべきだと、小泉は考える。市長にも出席していただくのが良いだろう。そうすれば公開の場で議論が行われ、議事録も残る。部長と課長が、同時に職場の席を外す事態も避けられ、事務の効率化にもつながる。

    加藤市長は、「議会との風通しをよくする」と言う。しかし、特定の会派への関与を廃した一方で、議会と市長・副市長らの特別職との接点は、一つ失われてしまった。一応、重要な案件については市長が同席するとの一札はあるものの、「重要な案件」とは何かは示されていない。今までは市長あいさつの際、その日の議題に関わらない一般的な質問がなされていた。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-856.html
    だが、11月20日はこれが省かれた。この慣例が今後も続くかどうかは不明だ。

    とはいうものの、これは今までに会派・改革ながのが中心となって、議会の側から求めてきたことなのだ。議会と市長とのコミュニケーションの接点を、より良い形でどう再構築するのか。それとも、現状でよしとするのか。議会が試されている。新友会・公明党・改革ながのと無所属で、議会の3/4以上が加藤氏を推している現状で、まさかその接点を料亭に求めているのではないよね。

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    東和田の辻に立った。
    やはり、街頭演説はするべきだ。言葉に出して言うと、頭の中が整理される。
    新しい幟も、この日満を持して、デビュー。

    新しいのぼり

    氏名を掲示しながらの政治活動は、選挙期間内外を問わずにできないことになっている(政党に属していると、可能になる)。なので、小泉一真の信条を幟にした。もしも、小泉の氏名が浮き上がってみえたとしても、それは小泉の熱い思いが、見る人の脳裏に投影されたのだと思っていただきたい


    市長選挙後、ほぼ半月が経過した。応援した橋本まさゆき氏は当選させてあげることができず、まことに残念。加藤氏以外の候補の得票を積み重ねると、加藤氏のそれを上回る。小泉が提唱した候補1本化が実現できていれば、加藤氏が当選できていたかどうかには疑問がある。「一本化自体が敗北」と言った候補がいたが、実際は一本化できなかったことが敗北の原因なのは明白だ。
    当選された加藤久雄市長、おめでとう。だがそんなにおめでたい勝利なのか、よく考えてみよう。
    懸念された通り、低投票率となった。42%。そのうち、加藤氏の得票率は50%に満たない。つまり全有権者のせいぜい5人に一人程度しか、加藤氏に投票しなかったことになる。
    一方で、長野市議会の改革ながの、新友会、公明党、無所属2名が、加藤氏を担いだ。改選前で38名のうち、実に29名、76%が加藤市長派なのだ。5人に1人の有権者しか投票しなかった加藤氏を、議会は実に4人のうち3人強が支える構図となる。今後の議会運営がどのようなものとなるのか、興味深いところだ。

    市議会議員補欠選挙のグレート無茶氏は惜しかった。次点に泣いたが、僅差。運動を1週間早くはじめていたら、おそらく入っただろう。リターンマッチで、ぜひ雪辱を果たしていただきたい。

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