長野市長・加藤久雄氏は、たびたび人間関係の重要性に言及される。例えば就任10日目の記者会見では、こう述べられた。


    「...全ては人間関係で決まるということがあるので、市議会、市の職員、県内市町村の長との人間関係を今後も図っていきたいと考えている...」
    http://www.city.nagano.nagano.jp/site/kisyakaiken/80900.html


    また、10月15日のテレビ信州公開収録では、県都長野市の優先課題を尋ねられたとき、「人間関係」と即答していた。「市民はお客様」という言葉も、広い意味で市民と市役所職員の人間関係の構築であると捉えることができるだろう。確かに組織の生産性を向上させるためには、人間関係は重要だ。
    人間関係とは、批判ができない仲良しではない筈だ。加藤氏は長野市役所のリーダーであり、時には部下の仕事ぶりを正さねばならない時があるだろう。部下に納得ずくで方針を転換させる人間関係ができていてほしい。
    これから加藤氏が築こうとする市役所内の人間関係が、加藤氏の仕事を進めやすくする筈が、逆に市役所官僚組織に好都合なものとなってしまう可能性はないか。きちんと官僚組織に、気兼ねなく物を言える関係を、加藤氏が築けるのか。ここに、小泉は注目している。
    新市民会館のネーミングライツ導入について、教育委員会の事務方が設定した結論に、加藤氏は乗せられているように見える。導入に否定的な理由を質問しても、「常識」の一言で片づけ、自分の考えを示そうとされなかったのが、小泉には残念だった。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-1230.html

    6日の一般質問では、合併協定の不履行についても触れた。このブログで何度も触れた、「市の木・市の花」の問題。もう一度、経緯をまとめておこう。
    市の木・シナノキ 市の花・リンゴの花

    平成17年、大岡村、豊野町、戸隠村及び鬼無里村が長野市と合併する際には、「市の木、市の花等については、市民の一体感を醸成するため、合併後、アンケート等の実施により新たに制定する」と合併協定に決められていた。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-376.html

    ところが、その翌年に市役所内に設置された「長野市のシンボル等見直し検討委員会」が、「市の木、市の花については、写真・図案等に使用されており、市民にも浸透していること、合併前の町村の木・花は、地域を代表する木・花であり、市域全域を代表するシンボルとは考えにくいことから、現行の市の木・市の花をシンボルとして存続することとする」と結論付けてしまったのだ。
    現行の市の木・市の花を存続する
    (検討委員会資料の一部)

    委員会の設置は前市長の指示によるもので、委員会の設置と結論について、市議会にも市民にも公表してこなかった。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-380.html

    だから小泉はこれを「秘密合意」と呼んでいる。小泉の議会初質問では、この件を真っ先に取り上げた。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-406.html
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-430.html

    質問は信濃毎日新聞等で報道された。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-408.html
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-419.html

    さて、小泉から加藤市長にこの件について問うと、返ってきたのは次のような答弁だった。


    市長:...(市の木・市の花は)これまで見直しについて、具体的な要望・意見をいただいたことはなく、市民としての一体感は醸成されてきていると考えるけれども、合併協定は市町村同士の約束であり、誠実に履行する必要があるので、来年で合併から10年になることから、地域審議会(※)の意見をうかがいながら市の木・市の花の取り扱いについて市として判断してまいりたい。


    今までと違い、「来年」と期限を示したのは進歩といえる。しかし、「具体的な要望・意見はをいただいたことはな」いとの言い方は、前市長と同様、秘密合意に触れずに、協定不履行を正当化するもの。「市民としての一体感は醸成されてきている」というのも、根拠はない。従来通りの、事務方のシナリオに沿った、結論ありきの検討がまた繰り返されるのではないか。加藤市長は、官僚組織という「人間関係」に、すでに取り込まれてしまったのではないか。
    懸念する小泉は食い下がった。


    小泉: 合併協定は「アンケート等を実施する」と書いてある。これを履行するべきでないか。

    市長: アンケートを取ると数の論理という形になりかねないわけで、審議会をするほうが合併された町村との合意ができるのではないかと思っている。


    この日の議会日程終了後に、加藤市長と立ち話をする。アンケートでは、人口が多い旧市の意見が反映されてしまうから、地域審議会と協議する方が合併地域の意向を酌みやすいとの趣旨と確認した。

    一方、市長答弁を整理してメモの形にして提供してくれないかと依頼したところ、担当の企画課の態度はこうだ。


    企画課長: 議場で述べたことが全てであり、それは会議録を見ればいい。


    いや、だってお互いに行き違いがあってはいけないから、お願いしているんじゃないか。メモにおこすことに何の問題があるのか。答弁は、市長と事前に打ち合わせができているんでしょ。


    企画課長:それはお答えできません。


    ははーん。どうも役人たちと市長と、食い違いがあったみたいだね。そういえば、アンケート履行について、市長の前に担当部長が答弁していた。


    企画政策部長:アンケートというのも一つの手法だが、再度庁内での市の木・市の花の取り扱いについて確認、手続きを踏んだうえで、地域審議会のご意見をお聞きをするということであって、来年度中には判断をしていくということ。


    地域審議会の前に、役人が「手続を踏む」? これはやっぱり、お役人主導で物事を進めようとしているということなのか?
    加藤市長と官僚組織との人間関係が、市民にとって建設的なものとなるのか。それとも官僚組織を補強するものとなるのか。「市の木・市の花」が、その試金石になる。

    ※地域審議会:合併対象地域が、長野市と合併した際に設置された審議会。合併した旧町村部における重要課題の解決や地区に根ざしたまちづくりなどを審議することを目的としている。

    ご高覧ありがとうございます。お疲れさまでした。

    小泉一真.netのランクが上がります!

    関連記事
    コメント:
    コメント:する












    管理者にだけ表示を許可する?

    トラックバック:
    トラックバック URL
    →http://koizumikazuma.blog.fc2.com/tb.php/1232-86244b31
    この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)