スパイラル全景 
    長野市ボブスレーリュージュパーク・スパイラル(長野市ホームページから引用)


    2018年に韓国で開かれる平昌冬季五輪の大会組織委員会が、ボブスレーとリュージュ、スケルトンのそり競技を1998年長野冬季五輪で実績のある日本で開催することを視野に国際競技団体と非公式に協議していることが6日、分かった。会場は長野五輪で使用された長野市スパイラルが候補になっているとみられる。
    (2014.12.07信濃毎日新聞)


    「本当にい?」というのが、小泉の感想。ピョンチャンオリンピックの準備が遅れているとは聞いていたが、まだ3年以上ある。「円滑な開催を望むIOC(国際オリンピック委員会)等が、大会組織委員会に国外での分散開催の検討を示唆して、尻をひっぱたく」程度ならありうる話だと思う。だが、非公式とはいえ、「大会組織委員会」が主体となって、国際競技団体(国際ボブスレー・スケルトン連盟国際リュージュ連盟と思われる)と長野との分散開催について協議しているというのだから、この記事を額面通りにとれば、かなり切羽詰っていることになる。
    しかしながら、まだ「非公式協議」の段階であり、日本・
    長野市の関係者が積極的なコメントをする必要はない。長野市長加藤久雄氏の「そういう話は聞いていない」というコメントは、素っ気ないが必要十分。JOC(日本オリンピック委員会)会長の、「正式に要請があれば前向きに協力していく」との発言は、今の段階ではしゃべりすぎ。

    よく考えてみよう。そもそも、なぜそり競技が盛んで大会運営経験が豊富なうえ、委員を多く輩出していてIOCの理解を得やすいと思われるヨーロッパではなく、韓国のライバルである日本を敢えて分散開催の相手とするのか。なぜ非公式協議の段階なのに、「日本」という韓国国民にとって最も困難な選択肢がリークされ、報道されてしまったのか。違和感を感じないだろうか。
    この情報リークには、政治的な意図を感じる。つまり大会組織委員会は、青瓦台から金を引っ張るために、日本・長野市を当て馬に使おうとしているのではないか、ということ。オリンピック運営という国の威信がかかった問題で日本に泣きついたとあっては、国民から韓国中央政府が批判される事態は容易に予想される。それではかなわないと、最終的に韓国大統領府が大会組織委員会に財政支援するとして決着することも、可能性としてはありうる。というより、長野分散開催構想よりも、この方がはるかに現実味はあるのではないか。
    もっと穿って言えば、韓国政府の財政支援が決定した後なら、競技団体との「非公式協議」の存在など、大会組織委員会は否定できる。何しろ「非公式」なのだから。そうやってはしごを外されてしまえば、頼みもしないうちに救いの手をさしのべようとするJOC会長の「協力していく」式の発言は、宙に浮き、恥をかかされるだけだ。それだけでなく、日本がオリンピック開催の栄誉を横取りしようとしているなどと、万が一にも韓国国民から曲解されるようなことがあっては、不本意だ。

    日本と長野市は、まだ静観しているのがいい。助けるつもりで今発言しても、大会組織委員会の政治的シナリオに乗せられているだけなのかもしれない。「本当に」正式なルートを通じての申し入れが来たなら、おもむろに「条件次第で」協力したいと言えばいいのだ。条件とは、オリンピック競技開催に必要なスパイラルの改修費と、オリンピック期間前後の施設使用料、運営費等になるだろう。さらにはオリンピック精神に基づき、日韓の友好を旨とする外交的な交渉項目をいれてもいい。うまくいけば竹島問題や海外における従軍慰安婦の宣伝などの事態を、落ち着かせる契機ができるかもしれない。...まあ、韓国の事情を考えれば、分散開催の正式な申し入れが「本当に」あるとは、考えにくいのだけど。

    長野冬季オリンピック競技大会1998のボブスレー・リュージュ会場だったスパイラルは、現在も長野市が管理する。オリンピック後は、そり競技の国際大会が可能な日本で唯一にしてアジアで唯一のコースとして、役割を果たしている。そり競技のコース整備は、山野を切り拓いて恒久的な構造物を設置しなければならないため、環境的な負荷が大きい。IOCと関係競技団体は、今後はこの点に考慮した開催都市選定をおこなってほしいものだ。冬季オリンピックを開催する場合、自国内の既存そり種目のコース活用ができないならば、他国との分散開催を検討すべしと決めてもよいと思う。そうだったなら、最初からピョンチャンと長野市は協働できた。

    写真は、スパイラルを視察したときのもの。

    (続きを書きました)


    スパイラル視察1

    スパイラル視察

    ご高覧ありがとうございます。お疲れさまでした。

    小泉一真.netのランクが上がります!



    2014.12.08追記。
    今朝の信濃毎日新聞記事に、こんな一文がある。


    聨合ニュースは関係者の話として「長野五輪後、競技場の活用に難航する日本側が分散開催案を流して回っている」などと否定的に伝えた。【モナコ共同】


    ブログ本文に小泉はこう書いた。
    「...頼みもしないうちに救いの手をさしのべようとするJOC会長の『協力していく』式の発言は、宙に浮き、恥をかかされるだけだ。それだけでなく、日本がオリンピック開催の栄誉を横取りしようとしているなどと、万が一にも韓国国民から曲解されるようなことがあっては、不本意だ。」
    さっそく、この類の発言が、韓国側から出たカタチ。言ったとおりだろとエバるつもりはないが、やはり正式に要請してくるまでは、静観しているべきなのだ。誤解を招いてはいけない。
    ところが今日の長野市議会では、分散開催を推進しようとするイケイケ派議員の発言もあった。もう少し考えて発言していただきたい。

    倉野立人議員の発言の様子
    https://twitter.com/kazumakoizumi/status/541871057498431488

    報道によると、大会組織委員会会長は、「海外の12の会場で(日本も)選択肢の一つ」と説明したそうだ。長野以外の11会場でできるなら、そうしていただくのがよい。というのは、警備が心配だからだ。日韓関係は良好とは言えない。今のままの関係で2018年を迎えると、日韓双方の反対派の不穏な空気の中で、競技することになりかねない。日本嫌いの韓国人は日本がオリンピック開催競技を横取りしたと言うだろうし、韓国嫌いの日本人は韓国を助けるべきでないと言うだろう。現に、ネット上はすでにそんな雰囲気がある。会期中、長野市で日韓市民の衝突でもあったら、長野市と県が責任を問われかねない。日韓の関係改善とセットでないと...
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    コメント:
    Re: 絶対ダメです
    現実的に考えて、平昌オリンピックの会場を長野にもってくるのは、二国間関係から厳しい。それよりも①韓国政府が平昌への資金的援助を強めて従来どおりの計画で開催、②長野以外のそり競技施設との分散開催―がより現実的なシナリオだと考えます。後出しジャンケンでそんなこと言うIOCもひどいと思いますが、この辺が落としどころになるんじゃないですかねえ。
    一方で、ハシャいじゃっている議員さんもいるようです。
    「平昌冬季五輪の共同開催を視野に検討すべきと考える」(倉野立人氏)
    http://blog.goo.ne.jp/kz2df777/e/d469679f9cb9e14a9cf443760d8461a9
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議会議員)│URL│12/10 17:34│編集
    絶対ダメです
    初めまして。一市民です。この件JOCに抗議しまして、市長にも電話しようかと思っていました。昨日ちらっと市長の発言を聞いて、少しだけ安堵です。でもJOCが前のめりでどうなっているのでしょう。
    韓国の不始末の尻拭いをさせられてはなりません。助けても助けなくても逆恨みする人たちです。絶対禍根を残します。
    小泉さん、存じ上げませんでしたがこんなにしっかりした議員さんがいらっしゃるんですね(!)期待してます。応援します。絶対ダメなんです。
    ターシャ│URL│12/10 05:44│編集
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