小泉が注目する、市・県の保健所共同設置構想について、議会宛ての説明を受けた。
    長野市は1999年に中核市に昇格し、独自の保健所を設置する権利を得て、同年に長野市保健所の運用を始めた。率直に言って、せっかく手にした長野市独自の保健所を手放さなければならないほどのメリットが、小泉には感じられない。


    県内の長野市以外の自治体の保健所業務は、長野県が担っている。県長野保健所(現在は長野保健福祉事務所)は、市保健所設置前から県庁近くにあって、今もその場所で長野市周辺自治体を分担している。
    知事からの申し入れを受けた市長が、トップダウンで決めた方針に、理由は後付けな感じ。例えば、専門職種の保健所長(事実上、医師資格が必要)、獣医師、薬剤師、臨床検査技師等の確保に苦慮していると資料は言うが、それは県でも同じではないかと小泉が訊くと、「特に所長が難しい」とのこと。所長級の人材がゴロゴロしているわけはないので、それは当然。市保健所長は、県保健所長経験者に就いていただいており、そのような関係を築いているなら、保健所共同設置で解決すべき問題でもない。獣医師等の専門職種については、特に言及がなかった。むしろ、広い県域の中で転勤がありうる県職員より、基本的に転勤のない市保健所に、ライフスタイルの上から魅力を感じる人材は少なからずいる。市保健所に、県保健所から転職してきた獣医師、臨床検査技師等も、実際にいるのだ。
    人事異動の機会がないため「市ではスキルアップの機会が少ない」と言うなら、外部の研修や、県と相互に派遣し合う交換人事を活発化すればよいわけで、これも共同設置でなければ解決できない問題ではない。というより、県下一の人口を擁する長野市保健所での勤務経験は、むしろ県職員のキャリアアップにこそ資するものであり、人事交流は県の側により強いニーズがあるはずだ。実際、県からは獣医師、薬剤師が長野市に派遣されているが、その逆に長野市から県への専門職の出向はない。
    「長野医療圏に2つの保健所が混在」するのも、連携と交流の強化で解決できなくはないだろう。それで解決できない程度の県と市の関係なら、そもそも保健所の共同設置などできない。

    一方、長野県には明白な問題がある。長野市が中核市に昇格した上に、平成の合併により長野市域が拡大した結果、県長野保健所管轄区域の飛び地化は著しい。
    長野県保健所管区


    しかし、長野県は国策としての市町村合併の旗振りをしてきたのだから、合併で飛び地化が進んで県の業務が非効率になったのは、県自身に責任がある。その結果生じた不都合の面倒を市に見させようとするのは、いかがなものか。
    長野市保健所が設立されてから、県の須坂保健所・更埴保健所は支所に格下げされ、しまいには廃止された。コスト上の理由から、保健・公衆衛生行政を、県はこれらの地で後退させ、切り捨てたのだ。一方で、長野市は保健センター12ヶ所、保健ステーション1ヶ所を運用している。これほど濃密な保健センターネットワークを有しているのは、中核市としても少ないらしい。合併後も、鬼無里・戸隠・大岡等にある中山間地のセンターは維持されてきた。
    小泉は長野県職員時代に、県長野保健所須坂支所に勤務した経験がある。そのときに、保護した犬猫の殺処分の現実を見てこいと命ぜられた。それほど苦しまないと事前には聞かされたが、そんなことはなかった。このような現実を受け入れることが、保健所職員としては必要なのだという意味だと、小泉は理解した。
    一方、長野市の犬猫の処分数の少なさは殆どゼロと言ってよいレベルにある。昨年の処分数は38頭だった。「犬・猫合計の人口比殺処分数ランキング(都道府県・指定都市・中核市)(平成24年度)」では、長野市は最下位となっている。県の人口あたり処分数は、長野市の8倍程度にもなっている。長野市の成果は、NPOや市民ボランティアと地道な協働に努めてきたからこそのものだ。
    長野市は人の生命も動物のいのちも、等しく大切に扱う保健所行政を施行してきたのだ。県の保健所運用は、基本的な考え方のレベルで、市とは異質なものを小泉は感じる。

    小泉の考えでは、保健所運用について、市は県よりも優位な状況にある点がいくつかある。加藤市長は「1年たってもできないものは、2年たってもできない」などとスピード感を強調するが、優位にある者が交渉するときに焦る必要はないし、相手に迎合する必要もない。県から言い出したことなのだから、したたかに交渉し、長野市にとってのメリットを引き出すことが肝心だろう。その過程で、市民の知恵を取り入れる場面を作らなければならないのは、小泉の唱える市民第一主義から当然のことだ。
    今後もしっかりと注視し、発言していきたい。

    ご高覧ありがとうございます。お疲れさまでした。

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