今日の小泉の仕事は、一般質問。

    (前回までのあらすじ)
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-1549.html
    談合で公正取引委員会から処分されたので、形だけは富士通を指名停止とした長野市。だがその直前に駆け込みで、総額1億円を超える随意契約7本が結ばれていた。9月議会には、その内の最後の一件の予算を確保するために市長が下した専決処分の承認が求められている。何だか怪しい話に身構える、議会。初日に即決の筈が、委員会審議に付託することに。富士通と長野市の間に何があるのか。議会のとるべき道は。
    経過まとめ

    富士通・長野市の駆け込み随意契約は、これだけある。
    契約状況まとめ

    今日の質問のポイントは、3つ。
    まず、7月25日契約の「基幹系端末セキュリティ強化業務」。契約額2,073万円。これは富士通じゃなくても、できるんじゃないか?
    この工事は、マイナンバー利用事務に使う市の端末に、国が二要素認証の導入を求めていることに対応したもの。二要素認証って、つまりパスワードの他に認証の方法を用意して、二重にしろということ。長野市は当然、富士通との随意契約ありき。理由は、要するに富士通がシステムを組んでいるのだから、セキュリティも富士通純正でということ。
    「でもこの工事は、富士通じゃなくてもできるんじゃないの?」
    小泉は情報政策課の担当職員に、事前に聴取した。
    「そうですね、これはできるかもしれませんね」
    あっさり、そう言った。
    長野市が使っているシステムは、富士通MICJETシリーズ
    質問では、このエピソードに触れつつ、他のMICJET導入自治体が二要素認証導入の際、富士通との随意契約を断念した事例を紹介した。北海道釧路市では、先月9日に富士通を指名停止としたことから、今月富士通抜きで入札にかけるとのことだ。和歌山県橋本市も同様の状況。してみると、長野市の二要素認証化工事も、真剣に検討すれば富士通以外の企業が受注可能だったのではないか。談合企業をかばって指名停止措置を形骸化してはいないか。疑問は払しょくされない。

    次に問うたのは、富士通の宣伝に長野市が加担していること。
    http://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/public-sector/local-government/case-studies/nagano2.html
    本年5月、本市職員5名が氏名・顔写真入りで、富士通のホームページにコメントを掲載している。「安定稼働させることを最も重視した結果、MICJETに決定しました」等と大絶賛。富士通が昨年から公取の捜査を受け、処分が秒読みの時期に、適切なことなのか。
    富士通に公正取引委員会が課徴金を課した直後に、1億円超の契約をし、さらに談合のイメージ回復の宣伝に協力する長野市。物心両面で富士通を応援している姿は、市民の不信を招きかねない。尋常ならざる関係が背後にあるのではと、考えてしまう。

    最後に、これは本当に必要でやむを得ない専決処分だったのかと質した。
    市の説明は、こう。8月10日までに照会への回答を求められていた。照会したのは県で、国の照会のとりまとめをしている。
    だが、そのおかげで、指名停止直前の駆け込み随意契約となってしまうことから、専決処分という選択になってしまった。予算補正を議会にかけずに、専決処分でやるというのは、ある意味裏ワザ。そのイレギュラーな手続きを避けるために、市はどの程度の努力を払ったのか。
    「回答期限の後ろ倒しについて、国・県と相談しましたか」
    「期限厳守と書いてあったので、していません」
    ...絶句ものだ。つい最近、交付申請をし忘れて予算に5億円の穴が空きくという事件があったばかりた。あれは、県に電話を一本かけて、問い合わせていれば防げていた。あれから何の教訓を、長野市役所は学んだのだろうか。
    「照会元の厚生労働省国民健康保険課に電話した。回答期限後ろ倒しの相談は何件かあり、対応したと言っている」
    と小泉は反論。
    「指名停止直前の駆け込み契約を専決で処分するなどという裏ワザではなく、駆け足で指名停止し議会の議決を求めるという王道があった。市長に見解をうかがう。議会との信頼関係維持を考えたとき、反省すべき点はありませんか」
    と迫る。その王道楽土実現のシナリオは、こちら。



    「担当部局におきまして状況を的確に判断した」
    と市長。小泉はカチンときた。小泉の話をきいているのだろうか。
    「すると国は期限後ろ倒しの相談に応じていたのに、その相談をせず、議会の権能を侵していることも的確な判断ということでよろしいのですね」
    「そういうことです」
    「今、議会の権能を侵したことが適当だったと答弁された。決して我々はこのことを忘れてはいけない」

    よしゃ。頭にくる答弁ぶりだが、市長の議会軽視のホンネを引き出した。ここまで言われて、この市長専決処分案件を承認するようなら、そいつは議員を辞めた方がいい。自民党系最大会派を、不承認とするように説得する材料になる。上出来だ。

    だが小泉の計算は、直後にゴワサンとなってしまった。休憩時間から戻り、議会が再開されるや市長が発言を求め、
    「先ほどの小泉議員への答弁は取り消します」
    おいおいおいおい、取り消さないでいいんだけど? そうなのだ。休憩時間中に、議会最古参のM.S.議員と、4期目のN.Y.議員が市長席で何やら密談している。小泉が何話しているんですかと近づくと、逃げてしまった。市長に発言の撤回と、それに代わる答弁を指南していたらしい。
    それが議員のやるべきことなんだろうか。行政との癒着とはそういうのを言うんじゃないのかなあ。特にN.Y.議員なんか、二元代表制のもとで議会と市当局は緊張関係で云々なんて、普段は言うくせに。市長に答弁授けたいなら、議員じゃなくて役人になればいいのに。これで自民党系最大会派を説得する材料が、一つ消えちまったよ。
    だが毒づいてもしようがない。彼らの口を閉ざすことはできないし、これもまた政治なのだ。

    ご高覧ありがとうございます。お疲れさまでした。

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