5月9日の記者会見で、長野市長・鷲沢氏は、市民意見募集―パブリックコメント―について、質問に次のように答えた。

    「この制度そのものについては疑問を感じている。私は正直に言うと、あまり意味がないと思っている。」
    「現在過渡的に実施していると捉えており、今後変えていかなければならないと思っている。」
    「今はパブリックコメントという制度があるからやっているが、本当の意味で市民の意見を聴くということであれば、一番は議会になる。」
    (全文はここ。 http://www.city.nagano.nagano.jp/site/kisyakaiken/53809.html )

    パブリックコメントとは、市民意見の募集のこと。どうも市長は、市民から直接意見を聞くことに、あまり積極的な意義を見出していないように見える。勿論、議会の意見は、市民を代表するものだが、だからといって行政が市民からの意見を聞かなくてよいということにはならない。
    第四次長野市総合計画後期基本計画のパブリックコメントでは、「業務継続計画」の策定を求めた市民の意見が採用されている。長野市役所が災害に罹災した際の、「優先して復旧させる重要業務や重要システムが特定されておらず、具体的な復旧体制・手順や行動計画が整って」いないという、非常に重要な指摘を、長野市役所は受けた。

    http://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/28922.pdf

    長野市役所は、企業に対しては業務継続計画の策定を推奨しながら、自らは市民から指摘されるまでその必要性を自覚していなかったことになる。

    http://www.city.nagano.nagano.jp/soshiki/kigyo-richi/49806.html

    もっとも、これは議員の側も同じ。小泉も、自治体に業務継続計画を策定する潮流があることは、知っていた。だから、長野市には既に業務継続計画があるのだという思い込みがあった。面目ない話である。

    さて、パブリックコメントを重視しない市長に従う市役所には、形だけの意見募集としておけばよいという考えがあるのではないか。どうもそう思える。
    5月8日に、長野市役所から協議・報告を受けた。事案は3件あって、何れも募集した市民意見により事業計画をどのように修正するか、またはしないかという報告・協議。市民意見を容れて計画を修正しているのに、修正前よりも後退した内容となっている点があるのが、気になる。

    一つは、「第3次長野市高度情報化基本計画」。
    修正前:「...情報基盤格差解消と基盤整備から利活用へのシフト」
    修正後:「...情報基盤格差解消」
    SCAN0128e.jpg

    明らかに表現が後退している。
    「格差解消に向けた市の主体的な取り組みが必要」という、市民の提案はもっともに思える。一方、修正の理由を示した、「長野市の考え」を読んでみたが、何を言いたいのか、よく分からない。
    「市民が真剣な提案を行った結果、計画内容が後退したとあっては、何のために提案したのか分からない。この市民は、次の機会に、それでも提案する元気を持ち続けることができるだろうか。市民の思いに応える計画修正であるべきでないか」と、小泉から質問。
    この件については、他の改革ながの議員からも、鋭い質問が飛んでいた。光ケーブル未敷設地区の解消は、市長公約なのに、取り組みが進んでいないのだ。
    なお、この件について、同席した市民ネットと公明党からは、何の発言もなかった。
    ちなみに、前回の協議・報告の際に、検討・予定されている市役所内への新電算システムの導入に際して、その研修についても計画しておくべきでないかと、小泉から提案した。これは、一応計画に盛り込まれたようだ。
    計画の全文は、こちら。
    http://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/34543.pdf

    計画が後退しているもう一つは、「長野市スポーツ推進計画」中のゲートボール場箇所数。
    修正前: 「箇所数: 14」
    修正後: 「箇所数: 10」
    SCAN0148e.jpg

    市民から、整備状態が悪いゲートボール場の存在を指摘された市役所は、それらをカウントしないこととしてしまった。だが整備が悪いから、市の施設を減らすというのは、おかしくないだろうか。
    市に問うと、これらは市の行政財産で、市教育委員会体育課が管理しているという。ならば、「地元の利用者が管理されることを前提に設置」されているというが、管理の責任は市にあるのではないか。
    ゲートボール場として管理しないのであれば、どう利用するのかと問うと、市が運動場または駐車場として管理するという。では、なぜゲートボール場としての管理は、できないのだろうか。
    そもそも、市の施設数が簡単に減るとは不可解で、管理が不十分なのではと問うと、巡回管理しているとのこと。では、なぜ、正確な施設数すらも、把握されていないのか。
    ゲートボールの実状は、高齢者に楽しむ方が多いスポーツだ。高齢化が進んだ地域では、自己管理が難しくなることもあるだろう。一律に廃止してしまっていいのだろうか。そもそもこれはスポーツ推進計画なのであって、スポーツ施設リストラ計画ではない。
    これについても、改革ながのの他の議員から、ゲートボール場を廃止する際に地元とどのような協議をしたのか、廃止の基準を明確にするべきでないかとの質問が矢継ぎ早に飛んだ。他の会派(公明党と市民ネット)と無所属議員からの発言は、なし。
    計画の全文は、こちら。
    http://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/34877.pdf

    今回の協議・報告から、進行役が、改革ながのの倉野代表に交代となった。身内のひいきだが、あきらかに緊張感が異なり、ビリっとした進行になっている。小泉が会派に入ったことに違和を訴えられる市民に会うことがあるが、互いの発言をフォローし、されるのは、同じ会派の議員であることが圧倒的に多い。そのような点も、理解いただければと思う。

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    コメント:
    Re: タイトルなし
    まぁさん、ありがとうございます。
    まぁさんのおっしゃることは、理解しているつもりです。

    > 意見を聞くべき対象のいちばんは「議会」ではなく「議員が集めてきた情報」ではないかと考えています。

    行政が、市民と議会と両方から意見を聞くのは、望ましくまた当然のことですね。しかし、議員を通じて市民の声にアクセスする方に重きをおくのは、いかがかと思います。市民があげる声に耳を傾け、また自ら市民にアクセスする努力が、行政には求められるのではないでしょうか。
    おそらく市役所職員は、そう考えているのではないかと思います。十分に実践できているかどうかは、別にして。いちばんの問題は、市長が、「本当の意味で市民の意見を聴くということであれば、一番は議会になる。」と言っていることです。これはつまり、議会の最大会派の声を聞いていればよいということに、繋がりかねません。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│05/13 07:09│編集

    小泉さん、回答がりがとうございます。
    すみません、微妙なニュアンスのズレがあるのですが・・・
    意見を聞くべき対象のいちばんは「議会」ではなく「議員が集めてきた情報」ではないかと考えています。

    市民にとって役所は身近なものか?
    もちらん、役所は身近なものであるべきで、市民に身近に感じてもらえるような努力もされているのでしょう。しかし、現実には一市民が行政に者申す(ちょっと大げさ)というのは結構勇気の要ることです。
    役所よりも地元の議員さんに相談なりして、行政に陳情してもらうことの方を選びます。それは有権者への(暗黙の)約束ですし。
    まぁ│URL│05/12 13:58│編集
    Re: タイトルなし
    まぁさん、こめんとありがとうございます。
    議員が、市民の代表として市民の声を聞くべきだというのは、そのとおりですね。それを市民や議員が、議員の役割として言及するのは、全く当然のことと思います。
    一方で、行政が、意見を聞くべき対象のいちばんは議会というのは、いかがなものかと思います。行政は行政で市民意見を集約することが必要な筈で、議員はそれが正しく行われているかどうかを、自分の情報・知識・論理でチェックするのが役割です。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│05/12 07:29│編集

    小泉さん、まいどです。

    パブリックコメント
    >A3 (略)本当の意味で市民の意見を聴くということであれば、一番は議会になる

    議会とのこと、私には市会議員が足を使って市民の声を集めよ・・・という意味に取れました。
    市には現在このような計画があります。それについて意見があるなら、私が聞きます。また、パブリックコメントという制度で市に伝えることもできます。
    このような感じで意見を吸い上げるのが、地元の(身近な)議員の役割ではないでしょうか。

    市民会館や浅川ダムのことはメディアで報じられて知っていても、市街地の動物像や茶臼山計画のことを知っている人はどれだけ居るでしょうか。メディアも完全スルーでしたね。
    (知っていれば賛成する人がどれだけ居たか ※建設業者を除き)

    公務員云々についても書きたいところですが、今日のところはこの辺で(~_~ ゞ
    まぁ│URL│05/11 20:20│編集
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    まとめtyaiました【市民意見募集に意味なしと市長 】
    5月9日の記者会見で、長野市長・鷲沢氏は、市民意見募集―パブリックコメント―について、質問に次のように答えた。「この制度そのものについては疑問を感じている。私は正直に言う