J2に上がりたがっているAC長野パルセイロと、そのホームスタジアムである南長野運動公園を、80億円かけて1万5千席規模のJ1仕様に改修するという補正予算案について。
    この件については、既に多くの議員が質問し、新聞等でも報道されている。小泉が、これまでの傾向と異なる点をついたのが、契約業者の資質に関する不安。主張したいことが複雑で、短い時間では、何が問題なのか十分に伝えられなかったかもしれない。この場で説明したい。

    スタジアム整備については、のべ3件の設計・調査が実施されることとなっている。それぞれの概要については、次のとおり。


    ・平成23年9月契約「改修検討業務」
    南長野運動公園総合球技場について、サッカー専用とすることで、15,000席収容可と報告。つまり、15,000席とするなら、スペースの関係でラグビー等との兼用はできなくなるという趣旨。ラグビー等と兼用したい市は、J2仕様10,000席規模で改修を検討することに方針を定めた。見積もり額は60億円。
    ・平成24年5月契約「再整備基本検討業務」
    J1仕様15,000席スタジアムのコストなどを検討するもの。契約期間は9月28日まで。今回議会に提出された15,000席で、80億円の補正の根拠。
    ・平成25年~26年「実施設計」
    実際に施工実施するスタジアムの設計



    ここで注目いただきたいのは、10,000席の方針が、いつの間にか15,000席に転換している点。この経緯は、記者発表資料でも、説明が回避されている。しかも、「ラグビー・アメフトとの併用可能な総合球技場」であるという。
    http://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/40263.pdf
    限られた用地で、サッカーとラグビーの兼用を可能とする画期的な新工法でも、開発されたのだろうか。
    そうではない。「改修検討業務」の報告が、間違っていたのだ。15,000席で設計すると、ラグビー等の試合スペースが確保できないという報告自体が、誤っていた。こんなことは、競技団体に問い合わせれば、すぐに分かることだし、公金をもって受託した責任ある業者なら、当然そのような確認を行った上で、報告書を提出するべきだ。
    そのほかにも、この業者の報告書には問題が複数個所あることが、小泉の独自調査で判明している。J2仕様のスタジアムを整備できると担保する「サッカースタジアム『基準』チェックリスト」のチェックが漏れているのだ。
    スタジアム報告書

    長野市は、報告書が適正に作成されているか検査する義務があるのに、これを怠り、手直しさせることもなく、まるまる代金を支払っている。契約した体育課は、適正に事務を執行していると言えるのか。
    全体を通して言えるのだが、調査・設計に公金を使うのは、市民への説明責任を果たす根拠を整備するためだという緊張感が、全く感じられない。


    小泉の議場の発言
    4月の副市長プロジェクト会議では「1万人収容でなければならないという理由がなくなった以上、15,000人収容を基本に検討を進める」との発言がある。15,000の合理的理由なんかないんですよ。最初っから。
    15,000席が収まるんなら作っちゃえ、だめなら1万でもいいやというだけの話。だから緊張感がなくて、こんなラフな報告書を、平気で受け取ってる。


    さて、まあ百歩譲って、「改修検討業務」報告書が、不備の多いものであったのはしようがないとしよう。そのような業者に当たってしまったことは、不運とあきらめることにしよう。もっと肝心なのは、15,000席で80億円という、今回の補正額の根拠となる「再整備基本検討業務」が、きちんとした業者によって、正確に積み上げられたものであるかどうかだ。
    しかし、この業者は、ラグビー兼用なら、10,000席でしか整備できないとの結論を出した「あの」業者と同じなのだ。10,000席でしか作れないと報告した業者に、15,000席の設計を任せたことになる。これは、はたして適当なことなのだろうか。むしろ入札参加条件の設定で、除外しなければならない業者ではなかったのか。


    小泉の議場の発言
    議案が通ると仮定して、この次は実施設計の契約となるわけですが、プロポーザル参加条件の設定と業者選定は、市民から見て適正・適切に行われると期待してよろしいか。


    一つひとつの契約は、手続き上は適正に行われているかもしれない。しかし、流れとして見たときに、市民は疑問に思うのではないだろうか。整備できる客席数を、過怠により5000席も間違えるような業者は、このような重要な業務からは外すべきではなかったか。

    ここでも、市の説明責任に対する考えの甘さを、小泉は感じる。

    最後に、今年5月にようやく、市がラグビー兼用でいけると確認したときの報告書。この仕事は、本来、半年前に、「あの」業者がするべきだった。発注者と受注者の関係が逆転している。なぜ、業者に確認させ、報告書の手直しを命じないのか。なぜだろう。

    130mでよいとする確認

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    コメント:
    BW様、コメントありがとうございます
    > やはり、パルセイロと行政は癒着していると揶揄されても仕方ないです。

    いやー。癒着しているというほど連携していたら、苦労はないんですがねえ...
    ブレイブウォリアーズの健闘を祈ります。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│10/09 19:45│編集

    >サッカーのJFLで活躍する“AC長野パルセイロ”や野球のBCリーグで活躍する“信濃グランセローズ”などの地域密着型スポーツチームとの連携・協力により
    既存施設を有効活用できる信州ブレイブウォリアーズは無視するわけですね。
    やはり、パルセイロと行政は癒着していると揶揄されても仕方ないです。
    BW│URL│10/05 17:02│編集
    アルウィン松本様コメントありがとうございます。
    深い理解を欠いたまま議論が進んでいるとすれば、残念ですね。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│09/19 07:40│編集
    非長野市民 様、コメントありがとうございます。
    基本的な議論や情報開示がないまま事業を進めて、パルセイロへの支持が集まるのかについて、確かに小泉は疑問を持っています。
    しかし長野市スポーツ推進計画では、「サッカーのJFLで活躍する“AC長野パルセイロ”や野球のBCリーグで活躍する“信濃グランセローズ”などの地域密着型スポーツチームとの連携・協力により、スポーツの振興及び地域の活性化を図ります」との一節があり、「Jリーグ基準に対応したサッカースタジアムの整備」を謳っており、これはパブリックコメントを募集するなどで、市民意見を一定水準で反映しており、またこの計画自体を議会が問題にしたことはなかったと思います。
    Jを目指しうるチームは、長野市においては、現状でパルセイロ以外にはありえません。それは長野市民も共有していると思います。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│09/19 07:38│編集

    肝心の長野市民からの意見が無いですね。
    平均観客動員が3,000人以上となっている意味は解りますか?
    スタジアム収容人数がJ2で1万人以上になっている理由は?
    競技施設と興行施設の違いは?
    Jリーグ2020年スタジアム規定はご存知ですか?

    南長野球戯場の改修に関わろうとしている人々が、
    余りに勉強不足ではないのかと危惧しています。
    アルウィン松本│URL│09/18 20:58│編集

    客観的に書かせていただきます。
    「2016年にJ1規格のスタジアムにする」と言う前提で今回の議論が行われていると思いますが、

    1.なぜ、老朽化の激しい兼用の東和田でなく、専用の南長野でなければならないのか
    2.なぜ2016年でなければならないのか
    3.なぜJリーグでなければならないのか
    4.なぜJリーグを目指すのがパルセイロでなければならないのか
    5.そもそも、なぜサッカーでなければならないのか

    という原則論があまりにも欠如しているように思われます。
    (ラグビーやアメフトの件は余りにも後付け感があるので割愛させていただきます)

    市役所やごみ焼却施設といった施設と違い、根拠と言う部分でかなり弱いく、不要不急でないかと思われても仕方ないかと。
    どうしても必要であれば、仮に来年首長が変わったり、完成が遅れてもとしても議論を尽くすべきだと思います。
    仮にパルセイロがそれこそ市長の発言のごとく「持たなかった」としてもそれはクラブ側の責任ですし、その時は本当の市民クラブを作り上げるべきではないでしょうか。

    それと報道を見る限り、全会派が「総論賛成各論反対」で進んでいるのが気になります。
    小泉議員や改革ながのの各議員方には「市やクラブが納得いく説明と数字を出すまで反対するぞ」くらいの気概を持っていただきたいと思います。
    非長野市民│URL│09/16 20:03│編集
    埼玉県民様、コメントありがとうございます。
    おっしゃる通り、「144m」とは決まっておらず、幅をもたせた弾力的な運用ができる規程となっています。
    業者はスタジアム整備が可能かどうかについて委託を受けているわけで、運用しろを設けた規定については、実際に確認のうえ報告する必要があったというのが、小泉の意見です。机の上で、ネットで検索しただけの報告書なら、誰でもできます。受託業者に求められているのは、そうではなく、きちんと調査された専門的な事実の報告です。
    実際に体育課が県の競技団体に確認したところ、報告内容がくつがえされています。これでは、何のために公金を投入して、報告書を作らせたのか。しかも、照会したその場での、一発回答。持ち帰って検討して、しかる後に文書で回答しますというような、難しい話じゃないんですよ。

    設置可能な席数を、5000席も誤るような業者は、専門的な報告書を作成する資質があるのかどうかに不安を感じるのが、通常の感覚だと小泉は考えます。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│09/16 09:16│編集

    2011年11月公開の資料で「J1サイズにするならサッカー専用となる」という情報の根拠は

    http://www.rugby-japan.jp/laws/laws_of_the_game/003.html
    この規則によるものなのでしょう。これによると、フィールドは100m、インゴールは両サイドにそれぞれ22mとあり、この寸法に「できるだけ近づける」とあります。そうすると、100m+22m+22m=144mの幅が必要であり、ゴール裏に座席を設置すればこれが確保できないことになります。

    問題は、協会側が「130mでも問題ない」と言っていることで、規則から14mもピッチサイズを削ったものを口約束?でOKと言っていることなんじゃないでしょうか。(おまけに、アルウィンを始め、日本全国に幅130mのラグビー場は沢山あるのです。なんというか……わけがわからないですね)

    それはともあれ、事前に(ピッチは幅130mでOKと)要求事項に含まれていなければ、業者としては「規則通りに」144mのピッチを用意せねばならなかったはずで、確認し修正するのは県の体育課(つまりスタジアムの仕様を用意する側)ではないでしょうか。

    一概に「間違えた」とか「資質の問題」とかではないように思えます。どうでしょうか。

    ちなみに、蛇足ですがアメフトのフィールドサイズはサッカーとほぼ変わらないので、J1改修後でもあまり変わらないはず。
    埼玉県民│URL│09/16 08:58│編集
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