今朝の信濃毎日新聞に、市長記者会見の模様が報道されている。重要なので、引用。

    南長野運動公園の改修計画
    コストか質か「重い決断に」 建設技術提案で長野市長

     長野市の南長野運動公園総合球技場(篠ノ井東福寺)の改修計画について、鷲沢正一市長は6日の定例会見で、設計者と施工業者による共同企業体JV)からの技術提案をめぐり、コストか質のどちらを選択するか「重い決断になる」と述べた。市は、概算総事業費80億円をかけて改修する計画。鷲沢市長は「市にすれば安い方がいいが、みんなに相談することになる」と述べた。
     市は、設計者と施工業者を検討する選定委員会を10月に発足。今月5日に応募要領などを公告し、16日まで参加資格に関する質疑を受け付けている。今後、参加資格業者を決め、技術提案書を来年2月1日までに提出してもらい、同12日に選定委を開いて契約者を決める。
     鷲沢市長は会見で、「今の金額(80億円)で屋根を全面かける案と、金額を下げて60億円で(現在計画しているメーンスタンドだけの)ぎりぎりの案が出てきた場合、どうするか」と指摘。選定委員会がどう判断するか、重い決断になる―とした。鷲沢市長は「(自分自身も)これから考えることになる」と述べた。


    60億円とするべきである。重い決断というが、そこまでの決断力を求められるハナシではない。
    なぜならば、長野市が定めた「要求水準書」に、すでにその答が書かれているからだ。

    要求水準書とは、要するにプロポーザル方式で業者に提案させる際のルールブックのようなもの。市長は、要求水準書をよく読んでほしい。「技術提案書の評価項目」に、こうある。


    (3) 事業費について
    新技術や新工法、創意工夫などにより、事業費を可能な限り削減すること。


    全部で12もある評価項目の3番目で、「事業費を可能な限り削減する」と書かれているのだ。仮に、予算枠を目いっぱい使って豪華な全周屋根掛けとする案と、予算を絞って最低限必要な施工による簡素な2案があり、その他の条件がすべて同じで最終選考するとしたなら、後者が勝つのでなくてはおかしい。
    もちろん、現実は仮定のようにはいかない。様々な提案がある中から、総合的に優れているものを選考するのがプロポーザル方式の意義だ。単純に安ければいいというのであれば、単純な競争入札で足りる。ただし、優先されるべき評価項目があるのは、当然だ。
    このことに関しては、最近のブログでも、触れたばかりだ。評価項目に、「事業費について」とあるが、どのように判定するのか、点数化して決めるのかと小泉は問うた。点数制で評価するなら、事業費の採点をどのように行い、全体の中でどの程度の配点とするのかを確認したかったためだ。だが、公園緑地課の答では、選定委員会は合議で業者選定する意向だという。あいまいな話だと思っていた矢先に、市長のこの発言である。この発言の真意は、「事業費を可能な限り削減する」明確なルールがありながら、60億円の提案よりも80億円の提案を選考せよと、選考委員会に促すことにあると、市民から疑われたとしても当然だ。
    繰り返すが、提案の中でコスト削減の優先度は、高くあるべきだと小泉は考える。それは次のような理由による。

    1. 十分な市民説明と合意を得る前の議決であること

    2. 投資効果が明確でないこと―説明会で市から経済効果試算は発表されたが、J2昇格という最大のハードルをクリアすることが前提となっている。市民・クラブ・サポーター・市・議会が一丸となってハードルを越える努力をしたとしても、いつそれが適うのかは、誰にも分からない。

    3. 「割安感」を求めればキリがないこと―1万席も1.5万席もたいして工費は変わらない、却って後から5千席足すと割高になる、将来を考えたら今1.5万席にしておくのがオトク―こういう議論は、小泉は好きではない。それを許せば、じゃあいっそ2万席でという議論だって、成り立つことになってしまう。実際、将来はJ2スタジアムも2万席規模にというJリーグ内部の検討もあるのだ。屋根の延長も同じ。まずは簡素にスタートすべきだ。J2昇格後、平均動員数も上がって降雨の際スタンド内に観客が納まらないという「現実」の需要が生じたときに、初めて検討するべき問題だと考える。何しろ、投入するのは公金なのだ。もちろん、パルセイロが独力でやるならかまわないし、市も協力するべきだろう。

    サポーターの間で、全周屋根かけの要望が強いことは、小泉も認識している。しかし、サポーターは、大局的に考えてほしい。メインスタンドだけに屋根をかけて最低限の基準をクリアし、簡素で質実な施設を求める姿勢と、80億円を目いっぱい費消して全周に屋根をかけろとの主張では、一般的な市民はどちらを支持するかを。今後、一般市民の中から同志を増やすつもりなら、市民の支持が得られやすい控えめな要求にしておくことが、オトクではないか。要求を大きくするなら、まず同志を増やしてからではないか。

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    コメント:
    (名無し)様、コメントありがとうございます。
    信濃毎日新聞報道では、直近のサポーターズ・カンファレンスで、全周に屋根をとの要望が「相次いだ」とあります。また、先月24日の市民向け説明会でも、全周に屋根をとの市民による発言が、2件ありました。うち1件は、「80億円かけて全周屋根かけてほしい」式の要望であったと、認識しています。個人的には、パルセイロの小池社長と話した際に、屋根をかければ来場者は増えるとの見解を聞きました。市長も、会見でわざわざ屋根掛けに言及していますので、主な要望と認識しているのでしょう。
    (名無し)様の仰るような冷静な声があるとしても、ちょっと声が小さいんです。まあ、サポーターとしては、言いづらいのかもしれませんね。
    説明会場で実施されたアンケートとか、Hinchada長野がまとめた要望が、どのような内容となっているのか。今後注目していきます。

    資料の提示については、分かりやすいように注意していきます。しかし、正確を期すなら、原典にあたるべきという原則は、理解していただきたいと存じます。特に「要求水準書」は、サポーターなら評価項目のページだけでも、目を通すことをお勧めします。屋根の設計については2案示せとか、興味深いですよ。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/08 11:48│編集

    ゴール裏の熱狂的なサポーターさんと話をすると、
    「ゴール裏には屋根をかけなくてもいいから、安くしてくれ」
    「いいものにしてほしいが、無闇矢鱈に費用をかけるべきではない」
    といった声も結構聞きますが、
    全周屋根かけの要望が多い認識とはどこからでてきた声なのでしょうか。

    「安くていいものを・・・」ってのは、
    別にサッカースタジアムに限ったことではなく、
    どの施設、それが公共施設であろうがなんであろうが
    同じであることには変わりはないんじゃないかと思います。
    月並みな言葉ですが「費用対効果」をしっかり考えてほしいものです。

    蛇足ですが、小泉議員の大切にしている情報公開。
    様々提示される資料から必要とされる情報を
    わかりやすく伝えるようにしていただけるとありがたいです。
    リンク貼ってるから読め、と言われても、行政の出す資料はかなりの分量。
    小泉議員のように、いい高校・大学に入ることができ
    ずっと官僚組織のなかで過ごした方のように頭のいい方ならまだしも、
    私のような頭の悪い人間には理解がうまくできません。
    議会や行政の持つ情報をわかりやすく伝えていただければと思います。
    小泉一真.net 匿│URL│11/07 23:07│編集

    >要求水準書の定める機能と耐久性がなければ、そもそもプロポーザルの選考に残りませんよね。


    「要求水準書の定める機能と耐久性」
    そんなものはクリアするの当然でしょ!
    私はその先の話をしているのです。
    要求水準書の定める機能と耐久性があっても、それが=良質なスタジアムという事にはならないでしょうが!!
    「クズスタジアム」という言葉で気分を害されたのなら謝ります。飽く迄も解りやすくオーバーな言葉を使ったまでです。
    既定クリアしつつ、もっと安くてもより良くなるように模索してほしいってだけだったのですが!!!


    まあ……でも……もうどうでもいいです。
    ブログを拝見するかぎり、柔軟な発想の持ち主とお見受けしていましたが、どうやら私の見当違いだったようなので今後コメントは致しません。
    長野県出身の通りすがり│URL│11/07 21:38│編集
    長野県出身の通りすがり 様、コメントありがとうございます
    > ただ、その80億ありきの議論の引き合いに「60億のクズスタジアムの方がマシ」みたいな意見を持ってきているように見える事に違和感を覚えているだけです。コストしか見ていないのではないか?と。

    「クズスタジアム」がどのようなものを想定しているのかは分かりかねますが(笑)、要求水準書の定める機能と耐久性がなければ、そもそもプロポーザルの選考に残りませんよね。要求水準書へのリンクを、本文にはってありますから、ごらんになってみてください。それでも小泉の言に違和感を覚えられるのであれば、またご指摘くださいませ。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/07 20:38│編集

    どうやら、私の筆力不足で意が伝わっていないようなので付け加えさせて頂きます。
    私は別に80億ありきの議論を肯定している訳でも無く、寧ろ否定的にすら捉えています。
    ただ、その80億ありきの議論の引き合いに「60億のクズスタジアムの方がマシ」みたいな意見を持ってきているように見える事に違和感を覚えているだけです。コストしか見ていないのではないか?と。
    「80億の割には安いねという提案」の割安論に乗りたくない気持ちは解りますが、だからと言って「60億の屋根が一部しかない中途半端なスタジアム」の方が市民の納得を得られるって事でもない筈。
    もうスタジアム建設は決まったのですから、作るなら良い(ちゃんとした)物を作って欲しいだけです。
     コスト削減の為それが不可能ならば、そもそも作るべきではないのでは?
    だから「60億で屋根を全面にかける方法を模索する」なのです。
    長野県出身の通りすがり│URL│11/07 20:23│編集
    長野県出身の通りすがり 様、コメントありがとうございます
    コストの捉え方については、小泉の考えとそれほど変わらないと思います。安さを求める競争入札ではなく、総合的に評価するプロポーザル方式の採用を、小泉は否定してはいません。あらゆる提案がありうるプロポーザル方式を、単純化して議論しようとしてのですが、意が伝わらなかったとすれば拙劣な小泉の筆力ゆえのことです。ご容赦ください。
    しかし、80億円ありきで議論する方々が一部にいらっしゃるのは、事実です。現実問題として、業者としては、「80億の割には安いねという提案」に魅力を感じるのではないでしょうか。その方が利幅がとれますから。その手の割安論には、乗りたくありません。事業費の圧縮を目指すのは、行政も議会も同じだろうと信じています。
    また、80億円目いっぱいかけて全周に屋根掛けせよとの一部のサポーターの要望は、市民の反発を買う恐れがあるという点も、理解していただけるのではないかと思います。
    ところで、小泉は、どんな提案でも、全周に屋根をかけたものは全て落とせとまでは、書いたつもりはありません。サポーターが「80億円かけて」全周に屋根をかけろと主張することは、いかがなものかと申し上げています。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/07 18:23│編集

    文面からの印象だと『(値段が)高くて良い物』と『安くてそれなりの物』という極端な二択を迫っているようにみえるのが残念でありません。
    もっとこう、『安くて良い物』を作ろうという議論に発展させる事は出来ないものでしょうか?
    今の段階ならば「60億で屋根を全面にかける方法を模索する」っていう選択肢があってもいいと思うのですが。
    ただ安くあげれば市民が納得するというものでもないでしょ。
    大事なのは費用がいくらだろうが、出来た物を安いと思えるかだと思います。
    余分な部分とそうでない部分を大ざっぽにではなく、細かく吟味、仕分けをし、「建設費のわりに良いスタジアムだね」と言われるようなものを目指して貰いたいものです。


    因みにサッカーファンのひとりとして個人的な意見を述べさせて頂くと、
    Jのチームのホームでの使用を前提としてこれから態々作ろうとしているスタジアムで、全面に屋根をかける事を考慮しないのはいかがなものかと思いますよ。仮にもプロリーグ、エンターテインメントを提供する場を作ろうとしているわけですから、観戦環境を蔑ろにすべきではないかと。(実際、雨天時の客足にも影響はあるでしょうし)
    長野県出身の通りすがり│URL│11/07 17:28│編集
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