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    話題の書(?)のタイトルは、「南長野運動公園総合球技場整備事業要求水準書」。
    http://www.city.nagano.nagano.jp/uploaded/attachment/42750.pdf

    パルセイロのホームスタジアム整備は、この書によって示されたレベルをクリアするものとして、プロポーザルに参加する業者が様々な提案を行うことになる。以下、個人的に興味を引く部分を抜粋。それぞれへのコメントは、小泉による私見。


    工程計画
    (1) 事業期間は、設計に関する業務の契約日から平成27年10月末日とする。ただし、工事の品質管理と安全管理を満たしたうえで、可能な限り事業期間を短縮する。


    パルセイロのJ2昇格の条件の一つである、リーグ基準を満たしたスタジアムの竣工を、なるべく前倒しにしたいという市の思惑が表れている。竣工が早まれば、シーズン初めに条件が整っていなくても、昇格を認めるようにリーグと交渉できるかな?


    配置条件・建築条件
    (1) 基本事項
    (前略)
    入場可能数は、15,000人以上とする。メインスタンドとバックスタンドの椅子席は個席とし、合計で10,000席以上を基本とする。なお、立見席を用いる場合には、立見席の段床の奥行きを80センチメートル以上、1人あたりの幅を45センチメートル以上確保すること。


    5000席分は、立ち見でもよいようだ。世の中には、立見席のみというサッカー場もあるらしい。立見席を積極的に採用し、自由に観戦できる空間として演出する工夫もありうる。デザインと事業費圧縮のポイントの一つになるかも。

    以下は、「技術提案書の評価項目」から。

    (3) 事業費について
    新技術や新工法、創意工夫などにより、事業費を可能な限り削減すること。


    「事業費を可能な限り削減する」との文言が、どの程度実効あるものとなるか。単なるお題目として掲げるだけでは済まされないと、小泉は考える。
    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-800.html


    (4) 維持管理費と長寿命化対策について
    オ  ピッチの芝生育成のための日射対策及び風対策を講じること。


    スタンド面積の100%を屋根架けとすると、芝生の生育に問題が生じるとの考え方がある。ピッチの全周屋根架けとする場合でも、スタンドの前列部に意図的に屋根をかけなかったり、屋根の一部に透明な素材を使うなど、工夫が必要となるらしい。しかし透明素材を使えば、強度・耐久性・施工コスト・暑気の問題も生じる。


    (5) 観戦環境の整備について
    ア  ピッチは現在の位置とし、120メートル×80メートル以上の芝生面積とその周囲に管理用の舗装部分(メインスタンド及びバックスタンド前は幅5メートル、サイドスタンド前は幅4メートル)を確保したうえで、可能な限りスタンドの位置と高さをピッチまで近づけ、臨場感あふれるスタンドを計画すること。

    エ 観客の歩行空間に動線の滞留が生じないよう十分な幅員を確保した上で、賑わいの演出として、飲食・小規模売店(仮設でも可)の利用を想定したスペースを、可能な限り確保すること。


    「可能な限りスタンドの位置と高さをピッチまで近づけ、臨場感あふれるスタンドを」とは、現状のスタンドの美点を継続するようにとの意図だろう。売店の設置スペースは、考慮されて当然とはいえ、行政の視点としてはよく思いついて拾ったと思う。
    他に大型映像装置の設置等についても、言及がある。


    (6) 動線及びゾーニングについて
    ア  計画建物は、できる限りコンパクトに機能を集約した施設とすること。

    (8) 環境配慮技術について
    環境配慮技術の導入について検討し、積極的に提案すること。


    コンパクト賛成。環境配慮技術も賛成だが、設計にうまく持ち込めるかな。屋根にソーラーパネルを張るとかならすぐに思いつくけど、施工・維持コスト、構造強度の問題もある。


    (9) 屋根について
    ア  観客席の屋根で覆われていない部分を、将来、代替施設を使用せず、さらに競技にも支障をきたすことなく、観客席全面を屋根で覆う施工方法と概算工事費を提案すること。
    イ  メインスタンド以外も屋根で覆う提案とする場合は、メインスタンドのみを屋根で覆う提案との比較検討を行なうこと。なお、検討内容は、工事費の他、維持管理費など多面的に比較し、屋根で覆うことによる優位性を明確に示すこと。


    評価項目中で、いちばん面白いのがこの部分。長野市が、屋根について様々な可能性を探ろうとしているのが分かる。まとめるとこうなる。

    ①メインスタンドのみに屋根を架ける場合
    →将来全周に屋根を架ける場合の方法・費用の提案(A)も必要

    ②メインスタンドとそれ以外にも屋根を架けるが、全周に架けるものではない場合
    →(A)の提案も必要
    さらにメインスタンドのみの屋根架けとする提案との比較により優位性を示す(B)も必要
    ③全周屋根架けとする場合
    →(B)の検討も必要
    つまり、提案の屋根延長がどの程度であったとしても、必らずメインの提案のほかに、比較検討の材料も用意せよということ。
    屋根というのは、スタジアムのデザイン上の個性を表現する一大ポイントだ。前述したように、芝生養生のための日照確保という、相反する要素もある。また「事業費を可能な限り削減すること」との評価項目もある。これらの兼ね合いの中で、どんな提案が採用されるか、楽しみである。
    それにしても、提案側からすれば、めんどくさい条件だろうなあと思う。それだけに、手間ひまかけた提案の中からベストの業者を選定する選定委員会の責任は重い。「事業費を可能な限り削減する」という思想をどのように体現するのか。市民・提案者の納得が得られるよう、合理性、透明性、要求書との整合を確保する選考であってほしいと望む。

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    コメント:
    オレンジ魂様、コメントありがとうございます。
    > 一個人で出来る事ってあるのでしょうか?

    サポーターカンファレンスで追求してみては(笑)

    監督の去就は、議会での質問にはやや馴染みませんが、12月議会で質問が許されれば、スタジアム/パルセイロの件に触れるかもしれません。
    18日最終戦は、スタジアムで観戦する予定です。
    ご意見ありがとうございました。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/13 22:04│編集

    小泉さん議員さんにサッカーの事をとか思いながらもコメントしてしまうのは、やはりパルセイロ経営陣が説明責任を果さないからなんとかして頂きたいと他力本願になっているのかもしれませんね。

    一個人で出来る事ってあるのでしょうか?

    薩川監督が育成に熱心であったかなかったかは分かりませんが
    パルセイロにはまだジュニアユースはあってもユースチームはありません。

    それから、NHKのニュースで
    次期候補は足達氏だと名前も出ていました。
    監督解任報道の翌日に。
    内部で決まっていたんでしょうね。
    推測ですが…

    私のコメントで使えるものがもしあるのであれば議会で追求出来る場があれば追求していただけたら嬉しいです。

    忙しい中しつこくコメントしても
    しっかり受け応え有難うございました。
    オレンジ魂│URL│11/13 21:03│編集
    カモシカ様、コメントありがとうございます。
    グランセローズは長野市を本拠地としているわけではないので、「他の自治体と連携しながら広域的に...」という発想になりやすいような気がします。県内一円でゲームを開催するのは、野球文化を広げるためと理解し尊敬しますが、興行的にはどうなんでしょうね。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/13 20:24│編集
    オレンジ魂様、コメントありがとうございます。
    おっしゃるとおりで、パルセイロ経営陣はきちんと説明責任を果たすべきだとしか、言いようがないですよねえ。市長の方ばかり見て、市民に受け入れられるにはどうするかという発想が弱いと感じたことは、何度もあります。

    ユースの育成もあわせて指導できる人物と、新聞に書いてありましのたで、足達さんのこと言ってるみたいだなあとは思いました。でも、ほんとにそうなんですかね。そりゃトップの監督も育成には関わるべきであるのは自明のことではあるけれど、自明なことをあえて次期監督の要件に挙げるのはどういうことなんでしょうか。薩川監督は、育成に熱心でなかったというのが、経営陣の評価なのかな?
    ただ、仮にそういう評価だとしても、トップの監督がユースの育成まで責任持つなんて体制は、成立しがたいと思うのですけどね。分業にしないと。

    そういうわけで、やはりパルセイロ経営陣が考えていることは、小泉にはよく分からんです。もっとも、小泉はサッカーに詳しいわけではないので、もともと理解する能力に限界があるのですがw
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/13 20:00│編集

    記事とは関係ありませんが、グランセローズファンです。
    パルセイロの戦績と比べると見劣りするのは仕方ありませんが、長野市にはもっとグランセローズの支援をお願いしたい!と本気で思っております。
    県全域をホームとする「県民球団」だとはといっても、県を代表するスタジアム「オリスタ」が長野市にはあります。「オリスタ」での盛り上がりはイコール、グランセローズの盛り上がりに直結すると思います。グランセローズ所属の選手が、プロ球団に、さらにメジャーリーグに・・!なんて夢を見たい。そうすれば、野球もさらに盛り上がり、長野県のスポーツレベルが向上すると思います。
    サッカースタジアムに反対なわけではないですが、80億円の前に是非考えて欲しいと思います。
    カモシカ│URL│11/13 18:02│編集

    監督が、いつか変わるというのは
    当然の話しですよね。小泉議員の言う説明責任の問題なのです。

    中日ドラゴンズの落合監督が解任された時、成績は上位でしたが集客数は毎年下がっていた為だと報道されていました。
    観客動員数が伸びなければ会社としての収入は得られないので
    このケースであれば受け入れるべきだとは思いますが
    薩川監督は成績も上位
    観客動員数も右肩上がりです。
    納得しようにも納得のしようがありませんよね?
    kazzさんのコメントで来年は順位が下がるかもしれません。と、ありますが強いチーム、話題性のある(今年で言うなら天皇杯J1コンサドーレ札幌勝利)チームだからこそ観客動員数は伸びるのです。
    ホームゲームでのイベントなどをきっかけに足を運ぶお客さんも居ると思います。
    そのホームゲームイベントで
    協力し融資をしてくれるのがスポンサーですよね?
    そのスポンサーが何社か下りると言っているのです。
    勝てない、話題性はない、イベントもない。ないない尽くしのチームに新しく観客が来ますか?
    来年、勝てない保証はないかもしれませんが、ここからは私の推測ですが事実、今年の夏頃からパルセイロはチーム状態も悪く勝てなくなってきました。
    夏から薩川監督がS級ライセンス取得の為、チームを留守にする事が多くなったからではないでしょうか?
    監督というのはそれほどチームに影響を与える存在であると思います。

    次期候補として調整していると
    TVで報道されていた人物は
    パルセイロのスポーツディレクター
    足達氏です。

    何処ぞの天下り企業と変わりませんよね。
    こんな身勝手な会社に県税を市税を投じてスタジアムなど建ててよいものでしょうか?

    感情的な部分もあり薩川監督贔屓の様にとられる内容かもしれませんが
    ご返信の方、よろしくお願いします。
    オレンジ魂│URL│11/13 13:14│編集
    オレンジ魂様、コメントありがとうございます。
    パルセイロ監督薩川氏の交代に関する見解は、ツイッターで表明しているとおりです。
    https://twitter.com/kazumakoizumi/status/266721933951897602
    https://twitter.com/kazumakoizumi/status/266358026221531136
    https://twitter.com/kazumakoizumi/status/266356667992657920

    監督はいつかは交代すべきものであり、交代のタイミングや求める監督像は、クラブが主導権をもって決めるべきものであるとは思います。が。今回はそれらについて十分な説明がなされているという印象を、小泉はもっていません。
    監督交代が決まった以上は、次期監督の手腕と成果に期待するように、サポーターは切り替えるのが本来の姿でありましょう。それなのに、現状のチーム運営はkazzさんのようなサポーターに、かえって不信を抱かせてしまっているのが、残念です。

    >しかも、次候補として上がっているのがパルセイロ内部のJリーグで何も実績のない人物。

    内部の人なんですか?
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/13 10:36│編集
    kazzさん
    小泉議員にも伺いたい。
    そうでしょうか?薩川監督は自分から辞めるとは一言も言っていないと新聞には書いてありました。
    もし、2015年までの不安があるのであれば柏と薩川監督に話をして複数年で契約を持ち掛け、その話しがまとまらなければ次の候補探しに移るべきではないでしょうか?

    しかも、次候補として上がっているのがパルセイロ内部のJリーグで何も実績のない人物。

    今のスタジアム建設の決定がされたのも今の成績があるからですよね?
    であれば最低限、今の水準を維持出来る薩川監督は絶対であるべき存在です。
    薩川監督を解任させるのであれば
    最低でもJ2優勝争いが出来る実績と手腕を持った人物でないとありえません。

    サポーターにもスポンサーにも説明なきまま監督解任に不信感を抱き
    信濃毎日新聞でも大手スポンサーが何社か下りると出ていました。

    この状況で本当にスタジアム建設した方が良いのでしょうか?

    私は微力ながらスタジアム建設の署名もさせて頂きました。
    でも、今となっては署名もしなければ良かったと思うほどです。

    AC長野パルセイロという会社が
    中長期的なビジョンで薩川監督解任と言うならば小池社長は
    2015〜2016年までのビジョンを説明する事は責務だと思います。

    今はただ
    以前コメントさせて頂いた事が
    現実になってしまって残念でなりません。

    関係のない話しになってしまったかもしれません。板お借りして申し訳ありませんでした。

    オレンジ魂│URL│11/13 00:37│編集
    kazz様、コメントありがとうございます。
    > 良い指揮官を招聘できますように…

    御意です。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/10 20:40│編集

    名古屋在住の長野市民です

    この記事とは直接関係ありませんが、パルセイロの薩川監督退任について

    私も最初は目を疑いました。
    長野をJFL屈指の強豪にしたのは間違いなく薩川監督の手腕によるものであり、この監督を切るなどありえないと

    しかし、しばらく考えていると少しずつ理解できるような気もしてきました。

    まず薩川監督は柏レイソルからの出向の身であるということ。
    柏が「戻って来い」と言えば基本的には長野を離れざるえない。
    さらに2年連続でJFLで優勝争いするクラブを率いた手腕はサッカー界で高く評価されているはずで、
    指導者のS級ライセンスさえ取れば(薩川監督は現在受講中)J1クラブの監督を任されてもおかしくはない。
    南長野の改修が進み、J2昇格の”勝負年”まで薩川監督が必ず指揮を執ってくれるならばよいが、そうなる保証はまったくない。

    現状2015年が勝負年になるであろうことから、
    あと2年はJFLで優勝を目指すというより、2015年以降に向けて
    現在20代後半の選手が多いチームの若返りとレベルアップを図る準備期間になるわけで、
    いざ土壇場で監督交代するよりも中長期的にチームを任せられ、かつ若手育成に長けた指揮官に、今この時期に交代しておくのは一つの手だと考えられます。

    来年、パルセイロの順位は下がるかもしれません。
    しかし本当の勝負はもう少し先。

    良い指揮官を招聘できますように…
    kazz│URL│11/10 14:42│編集
    (名無し)様、コメントありがとうございます。
    情報を「絞る」って、難しい。自分も勉強になりました。
    数値化している項目が少ないのは、プロポーザル方式だから、提案の幅をもたせているのだと思います。

    情報を伝える表現について、今後もご期待に添うよう、微力を尽くします。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/08 22:26│編集

    テスト
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│11/08 22:16│編集

    前回の記事にコメントさせていただいたものです。
    早速行動に移していただきありがとうございます。

    水準書から小泉議員が拾い出したところを見ると、
    行政にしてはしっかりやってるな。という印象を受けました。
    (元の要求水準が低かっただけかも知れませんが)
    もっと機械的な、数値や条文の羅列などに終始するものかと思いました。

    こういった形で、行政の資料について
    見やすい形に置き換えて頂けると、とてもありがたいです。
    今回のものだけではなく、他のことに関しても、
    同じようにやっていっていただければと思います。
    小泉一真.net 匿│URL│11/08 15:37│編集
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