須坂市議会

    「須坂市には『討議』ってあるんですってねえ」と訊いてみた。ある会合で、須坂市議会議員とお話しする機会を得たときのことである。読んでいる本「『議員力』のススメ」に、須坂市議会の「討議」についての記述があるのを、小泉は覚えていた。


    長野県須坂市議会では、「質疑」と「討論」の間に「討議」を設け議案をめぐる議論を自由にできる議事として想定している。


    会議規則では次のように定められている。


    須坂市議会会議規則
    (審査順序)
    第91条 委員会における事件の審査は、提出者の説明及び委員の質疑、討議の後、修正案の説明及びこれに対する質疑、討議、討論、表決の順序によって行うを例とする。

    参考に、長野市議会会議規則
    (審査順序)
    第91条 委員会における事件の審査は、提出者の説明及び委員の質疑の後、修正案の説明及びこれに対する質疑、討論、表決の順序によつて行うを例とする。


    全国的には、長野市議会のような規定になっている方が、普通。ちなみに須坂市議会でも「討議」があるのは委員会だけで、本会議ではこのような規定はないようだ。
    でも「『討論』と『討議』の違いって何よ」ってことになるよね。ある辞書にはこうある。

    討論:ある事柄について意見を出し合って議論をたたかわせること。
    討議:ある事柄について意見を述べ合うこと。

    ほとんど同じじゃん。だが議会コトバとしては、違いがあるようだ。議会コトバの辞書なんてものはないので、小泉が理解するところにより解説してみる。
    討論というのは、ある議案等の採決に際して、賛成・反対の立場を明示して、意見を表明すること。他の議員に自分に同調して採決するよう訴える目的がある。討論への反論・再反論は想定されておらず、言いっ放しの「演説」と捉えていただいて、大きく違わないと思う。
    一方、討議はよく分からない。というのは、長野市議会に限らず、討議の定めがないのが普通で、須坂市議会会議規則にも討議とは何ぞやという説明はないからだ。けれども小泉が拝察するに、議員間の自由な主張・反論・再反論による意見集約を試みる場なのだろう。
    他の議員と討議する中で自分の議案に対するポジションを築くというのが、本来あるべき議会の姿だと思う。だから質疑と討論の間に討議を置くことは、それなりに意義あることだ。
    で、その須坂市議さんに「須坂市には『討議』ってあるんですってねえ」と訊いてみたが、何か特別なことをしているという自覚はないようだった。もしかすると、討議と討論をいっしょにして運用しているのかな、などと想像してみる。いつか傍聴にいかなきゃ。

    また、須坂市議会では、各委員会の日程が重ならないように組まれている。これは、議員が自分の所属以外の委員会の審議を傍聴できるようにとの配慮からだ。長野市議会では、4つの常任委員会のうち、2つが同じ日に開催されるので、自分の所属のほか1委員会しか傍聴することはできない。
    さらに、須坂市議会の委員会では、委員長が委員外議員の発言を促すそうだ。長野市議会で、そういう場面は見たことがない。須坂市議会会議規則は、長野市よりも先進的なのだろうか。比べてみよう。



    須坂市議会会議規則
    (委員外議員の発言)
    第110条 委員会は、審査又は調査中の事件について、必要があると認めるときは、委員でない議員に対し、その出席を求めて説明又は意見を聴くことができる。
    2 委員会は、委員でない議員から発言の申出があったときは、その許否を決める。

    長野市議会会議規則
    (委員外議員の発言)
    第110条 委員会は、審査又は調査中の事件について、必要があると認めるときは、委員でない議員に対し、その出席を求めて、説明又は意見を聞くことができる。
    2 委員会は、委員でない議員から発言の申出があつたときは、その許否を決める。



    ほとんど同じだ。会議規則によれば、須坂市議会の委員長も、わざわざ委員外委員の発言を求める必要はない。運用として、委員外委員の発言有無を確認する委員会運営を行っているのだ。民主的な議会運営とか議会改革とは、要するに議会内の合意とヤル気があれば、できるものなのだ。

    須坂市議会には、予算・決算特別委員会がある。長野市議会には、決算特別委員会あるが、予算を専門に審議する特別委員会は存在しない。
    長野市の場合、予算案はその内容により各委員会に分割して付託され、各委員会審議の後、本会議で採決という手順をとる。須坂市の場合は、各委員会審議の後、予算委員会でさらに審議し、本会議に至る。分野ごとの委員会による予算案審議のほかに、全体を見通した予算審議が必要だという発想によるものらしい。長野市の予算規模は須坂市より大きいのだが、予算案全体の整合を見渡す予算委員会を持たないで、本会議に臨んでいる。

    長野市議会は、近隣地方議会との交流をほとんど持たない。新潟県上越市議会と、年に一度の行き来があるだけだ。意義がないわけではないけれど、共通する地域的課題について連携できる距離感ではない。
    一方、須坂市議会は、上高井郡(小布施町・高山村)のグループ及び中野市・飯山市のグループと、交流関係があるという。実は、こういった県内地方議会同士の交流は、わりと普通に行われているようだ。どうして長野市議会は、孤独なんだろうか。県都のプライドがあるのかな?

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    コメント:
    maillot 様、コメントありがとうございます。
    > 30万人から40万人ぐらいの規模の自治体でみると、広報に関する特別委員会や常任委員会を設けている自治体も多く見られます。こういう自治体では、広報に関する特別委員会や常任委員会に所属する議員の方たちはどんな仕事をされているのでしょうか?

    すみません、よその議会の委員会審議状況は、勉強不足で存じておりません。長野市では広報担当は総務委員会でして、小泉からは情報公開のありかたについて意見を述べています。
    また、議会外の活動として、勝手にこんなことをしたこともありました。

    http://koizumikazuma.blog.fc2.com/blog-entry-416.html
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│01/23 08:48│編集

    > 長野市ぐらいの規模の自治体では業者に任せることが多いと聞きます

    たしかに、地方自治体の広報業務に民間人を登用しているケースや、印刷や配送だけでなく企画・編集も民間セクターに委ねているケースは近年増加しています。議会広報の民間委託の状況がわかる資料がなかったので、小泉さんの発言を読んで、最近は議会広報の企画編集を外部に委ねている議会が増えているのか、と思いました。

    30万人から40万人ぐらいの規模の自治体でみると、広報に関する特別委員会や常任委員会を設けている自治体も多く見られます。こういう自治体では、広報に関する特別委員会や常任委員会に所属する議員の方たちはどんな仕事をされているのでしょうか?
    maillot│URL│01/23 04:15│編集
    匿名様、コメントありがとうございました
    どうも、小泉はひねくれていて、身内の議会の粗ばかり探しているように思われているようですねえ(笑)。長野市議会のいいところも書いておかなきゃ。...一つ思い浮かびました。

    小泉が編集委員を務めている「市議会だより」ですが、基本的に議員が編集しています。長野市ぐらいの規模の自治体では業者に任せることが多いと聞きますので、この点では貴重だと思います。そう思って、間もなくお手元に届く「市議会だより」をご高覧ください。それぞれの議員の質問・答弁のまとめ方に、個性が感じられることと存じます。
    小泉一真(こいずみかずま:長野市議)│URL│01/22 23:56│編集

    小泉さんがひいた辞書の意味を見ると、個人的には
    討論は、「意見、それに対する反論、再反論なんでもあり」
    いわゆる会話のキャッチボールが成立するもの。
    討議は、「それぞれ意見の表明」
    いわゆる意見の投げっぱなしな印象を受けますが・・・

    そんなに自分の所属する議会などを卑下するのもどうかと思いますよ。
    悪いところを探してばかりでは
    人と接するときでも無意識に人の悪いところばかり探してしまう
    いいところを探すことが意識付けば、
    どんなに悪い人、とっつきにくい人でもいいところが見えてくる。

    議員さんのお仕事は、とにかくたくさんの人に会うことで成り立っていると思います。

    ぜひいいところを見つけることが癖づくように
    心がけてみませんか?今からでも遅くないですよ。きっと。
    小泉一真.net 匿│URL│01/22 20:57│編集
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