飯田市講演タイトル

    昨日の信濃毎日新聞に、「売電『地縁団体』認可を―飯田市、住民団体に取得促す」との記事があった。飯田市が制定を準備している「再生可能エネルギーを活用した地域づくりを目指す住民活動を支援する条例」についての記事だ。ちょうどこの条例案に関する講演を、2月17日、「全国小水力発電サミット in 岐阜」で聴いてきた。行政の支援策についての報告とのことだったので、水利権等の小水力電源開発上のネックとなる行政手続き上のハナシかと思いきや、全く違っていた。今もその種の問題はあるようだが、手続きの簡素化が進められていて、すでにメインテーマとはならないらしい。不明を恥じるばかりの小泉である。
    刺激的なのは、この条例で飯田市が「地域環境権」なる聴いたこともない権利を設定し、住民に保障するという点で、信毎さんはここに触れていない。「地域環境権」でググってもほとんどヒットしないから、飯田市が発明した新しい言葉ということになるだろう。なかなか画期的なんだ、これが。あまり斬新なんで、ブログをどう書こうかとずっと悩んでいたほど。
    以下は小泉の解釈による解説。図は講演で用いられたものから引用。

    地域環境権

    講演では、地域環境権を「再生可能エネルギーを地域住民共有の財産と捉え、この資源を活用する権利はまず地域に存する」と説明していた。すでに飯田市において取り組まれてきた太陽光発電のファンド化「太陽光『市民共同発電』事業」や、小沢川で進められつつある小水力発電は、この思想により地域における権利「地域環境権」として、市が保障していくことになる。

    太陽光発電

    小沢川


    市が地域環境権を具体的に保障する手段は、いくつかある。太陽光『市民共同発電』事業では、公共施設の屋上スペースの貸し出しが市の本来業務となったことで、行政財産の「目的外利用」ではなく、目的にそった利用となる。飯田市には地域環境権を保障する義務があるのだから、発電のために地域住民に屋上スペースを貸与することは、積極的にとりくまなければならないわけだ。目的外利用では、原則として使用料を徴収する建前があるが、これが解消される(ということだと思う)。
    また、発電事業立ち上げ期の調査費用だけは、無利子で市が融資することで、参入を容易にする。
    さらに、事業の有効性を飯田市が評価・認定する制度を設ける。市の公的な評価・認定により、民間からの融資・出資を容易にするためである。

    事業支援フロー

    事業の受け皿となる団体は、認可地縁団体制度を活用するという、ちょっとアクロバティックな構想も提示された。
    (認可地縁団体)
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E5%8F%AF%E5%9C%B0%E7%B8%81%E5%9B%A3%E4%BD%93
    認可地縁団体は法人格を有するから、工事や融資の契約の主体になりうる。もともと地域的な自治組織に法人格を与えるのが目的だから、手続きも比較的簡単だ。信毎はこの辺に注目した記事となっているから、興味のある方は併せて読んでほしい。
    ただし、認可地縁団体が業を営むとなると、法人税・法人住民税の課税対象となりうる点が、ちょっと気になる。現状では、殆どの認可地縁団体は課税が減免されているのだが、これは収益事業を行わないことが前提となっているのだ。起業後しばらくは、設備の償却と借り入れ利息で所得は圧縮できるだろうが、今後の売電単価の推移によっては、国・県を含めた調整が必要となるときが来るかもしれない。
    (長野県法人県民税の説明)
    http://www.pref.nagano.lg.jp/soumu/zeimu/kenzei2.htm

    地域における持続可能な発電事業の下地を準備する。そのために新しい権利を発明し、既存制度の踏み込んだ活用を提言する。飯田市のこれらの取組みは、チャレンジングで野心的だ。成功を見守りたい。

    (関連サイト)
    http://kurano-t.blog.ocn.ne.jp/kurano/2013/02/post_8119-5.html
    http://energy-decentral.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-45de.html#more

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